KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2018

HAPPENINGText: Amelia Ijiri

KYOTOGRAPHIEは、毎年春に京都全域で開催される国際的な写真祭だ。ギャラリーやギャラリー以外の様々なスペースを使用して作品が展示され、アーティストによるトークやワークショップ、ツアー、子供向けプログラム、上映会などが行われた。今年で6年目となるこのイベントは、ルシール・レイボーズと仲西祐介によって企画され、これまでに延べ38万人を動員している。今年のテーマである「UP」は、環境汚染、政治的な暴動、気候変動、経済的不平等といった現代の様々な問題について取り上げている。

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Claude Dityvon, May 1968 : Reality dreamed, NTT WEST Sanjyo Collaboration Plaza Photo: ©︎ Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE 2018

富、美、欲求、特権、そして自尊心に焦点を当てたローレン・グリーンフィールドの「Generation Wealth(世代の富)」は見逃せない。かつて京都新聞の印刷機を備えていた地下室に、贅沢の追求、美しさの基準、余分なものへの執着などを映し出す彼女の作品が展示された。

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Lauren Greenfield, GENERATION WEALTH, Kyoto Shimbun Photo: ©︎ Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE 2018

今年出展している15人の写真家たちの中でも、サブカルチャーに関心を寄せている作家は多い。嶋臺(しまだい)ギャラリーで行われているフランク・ホーヴァットによる「Un moment d’une femme(女性の一瞬)」は、モデルや売春婦に焦点を当てた作品を展示。また、旧氷工場の三三九で展示されたのは、アルベルト・ガルシア。アリックスのいわゆるアウトサイダーやアンダーグラウンドの人々を捉えた作品「IRREDUCTIBLES(飽くなき人々)」だ。

また、東京在住のフランス人アーティストK-NARFの「THE HATARAKIMONO PROJECT」は、京都中央卸市場やその周辺で働く人々を撮り下ろした原寸大80枚の作品で、彼らの仕事場からほど近い市場の関連棟の壁面に屋外展示された。

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K-NARF, “THE HATARAKIMONO PROJECT”, AN EXTRA-ORDINARY TAPE-O-GRAPHIC ARCHIVE, Kyoto City Central Wholesale Market Photo: ©︎ Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE 2018

KCUA(京都市立芸術大学)の美術学生と空間を共有する2人の日本人写真家は、作品中で土地の変容にフォーカスした。パリを拠点とする小野規による「COASTAL MOTIFS」は、津波に襲われた東北地方の海岸沿いのコンクリート補強壁の建設写真を収め、森田具海のフォトエッセイ「Sanrizuka-Then and now-」は東京都郊外の成田国際空港の土地割当の問題について取り扱っていた。

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