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東京アートブックフェア 2019

HAPPENINGText: Yu Miyakoshi

その後TABFは、回を重ねるごとに規模が大きくなっていく。2009年に57組だった出展者数は、2013年には約300組になっていた。これほど活況を生むイベントは、どのように作られてきたのだろう?


Exhibition “FEMININE. ARTISTS’ PUBLICATIONS BY WOMEN IN THE U.S.A AND JAPAN” , 3331 Arts Chiyoda, TABF 2011, Photo: Toru Yuasa
プリンテッド・マターとリルマグの協力のもと、アメリカと日本の女性によるアートブックを紹介。女性が社会やアートに与えた影響、その変遷、当時の「フェミニニティ/女性的な表現」の在り方を提示した。

東:TABFは、2000年前後から世界の至るところで盛り上がってきたインディペンデント出版の波に呼応するプラットフォームとして生まれました。このフェアは、始まった頃からずっと出展者や来場者の方々、そして賛同してくれる仲間たちが、私たちと一緒に育ててくださっていると感じています。自分たちの力だけでは、到底今の規模にはなり得なかったと思います。


Exhibition “THERE IS XEROX ON THE INSIDES OF YOUR EYELIDS” 3331 Arts Chiyoda, TABF 2011
アーティストのリッチ・ジェイコブスが集めた、80年代のアメリカのスケードボーダーたちによって作成されたジンを展示。

東:プログラム構成においては、日本には素晴らしい本の作り手が沢山いて、良質な紙や世界に誇る印刷技術もあるので、自国の魅力も存分に伝えたいですし、その一方で海外におけるアートブックの文脈を伝えることにも注力してきました。また、トークプログラムでは、アーティスト、デザイナー、キュレーター、編集者など様々なゲストを呼び、多角的にアートブックの魅力を掘り下げています。


Kyoto Zokei University and Tohoku Art Institute of technology campus gaien, TABF 2012, Photo: Yoichi Onoda
2012年の会場となった京都造形芸術大学・東北芸術工科大学 外苑キャンパス。

東:また、アートブックの“祭典”として楽しんでもらうことも大事にしています。ミュージックライブやパフォーマンスをプログラムに組み込んだり、ケータリングのブースを設置したり。ちょっとした興奮状態になるくらい楽しんでほしいので、お祭りのようにいろんなことが起こっている状態にしたくて。そんな感じでどんどん企画が増えてしまうので、自分たちも全てのプログラムは追えていないかもしれませんね(笑)。個人的には、想像を超えたエネルギーが生まれるのが楽しみなんです。

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