KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2018

HAPPENINGText: Amelia Ijiri

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Stephen Shames, Power to the People, FUJII DAIMARU BLACK STORAGE Photo: ©︎ Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE 2018

歴史的な出来事を記録したステファン・シェイムスPower to the People」は、正義、自由、尊厳を追求する社会運動組織ブラックパンサーの活動を記録している。そして、クロード・ディティヴォンの作品「パリ五月革命―夢みる現実」は、 40年前の5月に京都の姉妹都市であるパリで起こった暴動、ストライキ、座り込みを撮影した。旧貯氷庫を会場に展示されていたギデオン・メンデルの洪水の被害者に焦点を当てた作品「Drowning World」は、気候変動の影響を探っている。 ロミュアル・ハズメは、ガソリンタンクを運ぶ人々のシリーズ、神聖なヨルバの踊りを捉えたシリーズなどを発表し、奴隷貿易、植民地支配の問題など決して過去の問題として済ませることのできない事柄を取り扱っている。

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Izumi Miyazaki, UP to ME, ASPHODEL Photo: ©︎ Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE 2018

宮崎いず美のセルフポートレイトは、風景と馴染みのある物体を並置してユニークなイメージを作り出し、ASPHODELギャラリー3階ではインスタ映えのするインタラクティブな錯覚空間「UP TO ME」を作り上げていた。世界最古のシャンパーニュ・メゾン、ルイナールとのコラボレーションで、自身と現場のスタッフにペイントを施し慎重にブドウ園やシャンパンセラーなどと一体化した錯視を作りだしたのはリウ・ボーリン中川幸夫は京都で最も古い禅寺である建仁寺で、「俎上(そじょう)の華」と題し、彼のアバンギャルドないけばなを通して花の生死を探るアレンジメントが展示された。

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Jean-Paul Goude, So Far So Goude, The Museum of Kyoto Annex Photo: ©︎ Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE 2018

京都文化博物館別館で行われていたのが、数々の受賞歴を持つ写真家ジャン=ポール・グードによる幻想的な作品であり、象徴的な広告でもある「So Far So Goude」。ゆったりと流れるようなフランスオペラ歌手のパフォーマンスも見どころであった。10世代にも渡って着物の帯商として製造販売を手掛ける伝統的な建物で、和紙のようにも見えるデザインされた壁の先に展示されていたのは、深瀬昌久の回顧展「遊戯」。彼は、戦後、最も画期的で独創的なアーティストの一人としてのキャリアを積み重ねたアーティストの一人だ。

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Liu Bolin, Liu Bolin × Ruinart, y gion Photo: ©︎ Takeshi Asano – KYOTOGRAPHIE 2018

繰り返しとなるが、KYOTOGRAPHIEはユニークな会場で訪れた人が、自身を取り巻く環境に注意を向けられる展示を写真家たちに依頼したもの。金融、環境、人種、社会などの問題にフォーカスしたKYOTOGRAPHIEの2018年のテーマである「UP」は、一見パーソナライズされているように思える昨今の世界において、個人的およびグローバルな問題は実は同一の広がりを持つと言えることを示してくれる。ここでの作品は、意識的に私たちに語りかけ、行動と創造性を通じてより良い選択をするよう促がしてくれるのではないだろうか。

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2018
会期:2018年4月14日(土)~5月13日(日)
会場:丹波口エリア(京都市中央市場場外)、京都文化博物館 別館、両足院(建仁寺内)、誉田屋源兵衛 黒蔵/竹院の間、ASPHODEL、y gion 他
主催:一般社団法人 KYOTOGRAPHIE
共催:京都市、京都市教育委員会
https://www.kyotographie.jp

Text: Amelia Ijiri
Translation: Satsuki Miyanoshi

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