東アジア文化都市2017京都「アジア回廊 現代美術展」

HAPPENINGText: Amelia Ijiri

東アジア文化都市」は、文化の力で日中韓の交流を促進することを目的にした三国間の文化イベントであり、町中のいたるところに文化遺産を有する京都市が、今年の本文化プログラムを行う開催地として選ばれ「東アジア文化都市2017京都」を開催している。舞台芸術、音楽、マンガ(漫画)、アニメーションなどに加え、8月19日から10月15日に渡り二条城と京都芸術センターで開催された「アジア回廊 現代美術展」が中心的なプロジェクトとして行われ、東アジア文化都市2017京都は2月から11月にかけ、一年を通して開催されている。「アジア回廊 現代美術展」では、日中韓の3カ国から国際的に知られる多様な世代のアーティストが参加アーティストとして名を連ね、約80%の作品はこの展覧会のために作られた新作となった。

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チェ・ジョンファ「フルーツの木」(2015年) Photo: Takeru Koroda

二条城は1603年に徳川幕府が建設し、後に京都府の府庁や皇室の離宮として使用された場所。「古都京都の文化財」の一つとしてユネスコの世界遺産に登録されている。
「フルーツの木」(2015年)は、チェ・ジョンファ(韓国)による巨大なバルーンによる作品で、二条城入口の中庭に展示されている。城内には、作家自身が敬愛する伊藤若冲の「果蔬涅槃図」(1792年)に描かれた大根と野菜をモチーフとした「涅槃」(2017年)も展示されている。城の台所では、草間彌生(日本)による「無限の網のうちに消滅するミロのビーナス (Y)」(1998年)が建物とは対照的な印象を与えている。そこからキムスージャ(韓国)の「遭遇 – 鏡の女」(2017年)が展示されている二条城の畳の間に入り、西京人(サイキョウジン)(日本・韓国・中国)による「第4章:アイラブ西京ー西京国大統領の日常」(2009年)に登場する架空の国「西京」の大統領執務室を再現した部屋を通ると、谷澤紗和子(日本)による妄想や空想のための器をイメージしたインスタレーション作品「容」(2017年)が並ぶ御清所に出る。ヒスロム(日本)は、「美整物 – 地についた足が離れる」(2017年)で3つの部屋を映像とインスタレーションで構成した。

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蔡國強「盆栽の舟:東アジア文化都市2017京都のためのプロジェクト」(2017年) Photo: Takeru Koroda

中庭には、蔡國強(ツァイ・グオチャン)(中国)による作品「盆栽の舟:東アジア文化都市2017京都のためのプロジェクト」(2017年)が展示されている。この作品は、前年の「東アジア文化都市2016奈良」で展示した作品を京都に移築し、五本の松の木を植え巨大な盆栽に見立てたもの。様々な問題も抱える東アジアの国々の状況を一つの船に共に乗って航海することを想起させ、まさに本美術展のコンセプトを象徴した代表的な作品といえるだろう。

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久門剛史「風」(2017年) Photo: Takeru Koroda

通常一般公開されていない東南隅櫓の構造を利用した久門剛史(日本)の作品「風」(2017年)を通り、二条城の本丸御殿を抜けると、三嶋りつ惠(日本)による城の堀に600個のガラスのオブジェを浮かべたサイトスペシフィックな作品「光はいつでもそこにある」(2017年)、伊藤存(日本)の刺繍作品「そとに出てわかること」(2017年)、花岡伸宏(日本)の木彫や既製品を組み合わせた二条城の桜の園に合わせて制作された新作のシリーズ、ハム・キョンア(韓国)の5体の彫刻作品「アン・カモフラージュ シリーズ 01–05」へと続く。

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