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東アジア文化都市 2017 京都「アジア回廊 現代美術展」

HAPPENINGText: Amelia Ijiri

もう一つの会場は、展覧会や、伝統芸能、音楽、演劇、ダンスなどの舞台公演の実施や、アーティスト・イン・レジデンス・プログラムでの国内外の芸術家の支援などを行っている京都芸術センター。かつて小学校だった建物を改修して利用されているもので、2008年に国に有形文化財に登録されている。

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堀尾貞治+現場芸術集団「空気」「あたりまえのこと – 色塗りとか」(2017年) Photo: Takeru Koroda

2階へと上がるスロープでは、堀尾貞治+現場芸術集団「空気」(日本)が、空気を可視化する試みとしてカラフルな色塗りの紙やガラクタを用いた作品「あたりまえのこと – 色塗りとか」(2017年)で埋めくつし、鮮やかで幻想的な空間に変えた。教室では、中原浩大(日本)が幼少時代に制作した絵や当時学習で使用していた物などを展示した作品「Educational」(2017年)や、オ・インファン(韓国)によるピンク色の部屋「死角地帯探し」(2014年ー現在)などが展開されていた。

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オ・インファン(韓国)によるピンク色の部屋「死角地帯探し」(2014年ー現在) Photo: Takeru Koroda

ヒョンギョン(韓国)の彫刻作品「私たちは醜かった」(2017年)が、ルー・ヤン(中国)の映像作品「ルー・ヤンのゴンタウ・カイト」(2016年)と共に講堂を埋め尽くしている。ヤン・フードン(中国)の「愚公山を移す」(2016年)は、人力で山を動かそうした老人についての中国の故事を題材にした映像作品。タオ・フイ(中国)の映像作品「余剰」(2015年)は、6本の指を持つ少女とその家族の葛藤と再生の物語。

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ヤン・フードン「愚公山を移す」(2016年) Photo: Takeru Koroda

今年の展覧会では、文化的に重要な京都の二つの施設を会場に東アジア3国からアーティストを集めて作品の展示を行った。文化的な背景はそれぞれ様々だが、文化遺産が非常に豊かな3カ国間の文化の仲介の促進に役立っている。今年の芸術監督である建畠晢は、『世界は孤立主義と偏見によって苦しんでいる』と述べ、文化と芸術を通してコミュニケーションと相互理解を促進するアジア回廊 現代美術展などのプロジェクトが、感情を分かち合い、より寛容で調和の取れた社会を構築する場となることを祈っている。

東アジア文化都市2017京都 ー アジア回廊 現代美術展
会期:2017年8月19日(土)〜10月15日(日)
会場:二条城、京都芸術センター
チケット:二条城入城+現代美術展セット券 1200円(特別エリアへの入場料 600円)
主催:東アジア文化都市2017京都実行委員会、京都市

運営:東アジア文化都市2017京都現代美術部門運営委員会

共同企画:京都芸術センター
TEL: 075-661-3755 (京都市役所センター)
https://asiacorridor.org

Text: Amelia Ijiri
Translation: Yumiko Miyagawa
Photos: Takeru Koroda, Courtesy of the Culture City of East Asia 2017

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