ポール・スミス展「HELLO, MY NAME IS PAUL SMITH」

HAPPENINGText: Chiaki Ogura

京都・東京・名古屋の3都市を巡る、ポール・スミス展「HELLO, MY NAME IS PAUL SMITH」が2016年7月18日まで、京都国立近代美術館で開催されている。デザイン・ミュージアム・ロンドンで開幕してからヨーロッパ各地を巡回し、大好評を得た展覧会だ。ファッションアイテムの展示に留まらず、第一号店ショップやオフィスの再現、そして映像インスタレーションなど約2,800点が展示されており、さまざまな角度からファッションデザイナー、ポール・スミスのクリエイションと本質を考察することができる。

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ポール・スミス展「HELLO, MY NAME IS PAUL SMITH」会場入り口, 京都国立近代美術館, 2016

ポール・スミス」は、今や、服飾を中心にバッグや時計など幅広く展開しているお馴染みのブランド。創始者のポール・スミスは、1946年イギリスで生まれ。15歳で学校を自主退学して、自転車競技のレーサーを目指していたが、事故で重傷を負いレーサーとしての道を断念せざるを得なくなった。夢を断たれ、途方に暮れた毎日を過ごす中、彼に影響を与えたのは、友人となったアートスクールの学生たち。16歳から服飾の倉庫で働き始めていた彼は、次第に建築やデザイン、アートなどに親しむように。そして24歳の頃、ノッティンガムの裏通りに店を開いたが、なんとその広さはたった3×3平方メートルの窓もないスペース。けれどこの小さな小さなお店が、現在に繋がる、彼のデザイナー人生のスタートとなった。

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右側の壁には、一面のボタン

「Hello! My name is poul smith.」という、ポールの自己紹介がそのまま展覧会のタイトルになっている。展示するものは全てポール自身で選び、自己紹介をしていくイメージで展開していく。展覧会を通じて自分を知ってくれた人が、自分と同じように“小さな事から始めても、大きな事が実現できるんだ”と思って欲しいとのポールの思いが込められている。

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ポール・スミスのコラージュによるアートウォール。オフィス(ロンドンのコペントガーデン)に飾られているコレクションのごく一部

会場に入ってまず目に飛び込んでくるのが、壁面に飾られた大小、色とりどりの絵画やスケッチたち。ポールは10代の頃から絵画やスケッチを集めている。アンディ・ウォーホル、デビット・ホックニー、バンクシーなど著名なアーティストの作品もあれば、無名の画家や学生の作品など、中には面識のないファンから送られてきた作品など幅広く揃っている。有名無名、金銭的価値の高いもの低いものにこだわらずにコラージュすることで、新たな価値やデザインが生まれるというのがポールの考え方だ。

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ポール・スミス一号店「Paul Smith Vetements Pour I’m Homme」

一号店のショップの名前は「Paul Smith Vetements Pour I’m Homme」(ポール・スミスの紳士服)。1970年にオープン。とはいってもたった3m四方の広さで窓もなく、実際には、店というより部屋に近かったのだが、ポールはショップと呼んで喜んでいた。始めの頃は店を開けるのは、金曜と土曜のみ。それ以外の日は、生活費を稼ぐためにフリーランスの仕事をなんでもやったそう。ここでは、夢を持つことの大事さとその夢を努力して維持することの大切さを伝えている。

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