シンヤチサト

PEOPLEText: Aya Shomura

シンヤさんの作品には、可愛いらしさだけでなく、伝統文様(例えばアイヌ文様)のような意味を持ったシンボリック性も感じます。このシンヤさん独自のカーブや形を持ったアイコンはどこからやってきたのでしょうか?

なるほど!これらは身体に染み込んでいるようで、意識して描いていないです。子供の頃から気に入った形を上手く描けるまで描いていたからだと思います。イラストレーターを職業としてからも構図などは試行錯誤しますが、手法はどれだけ気持ちよく、面白く描けるかにこだわっています。

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BBC web, Chisato Shinya

それから想像上の動物や生き物も登場しますが、ご自身にとって「想像する」とはどんな意味を持ちますか?

言葉で表現できない部分を描いています。そして、見た人が「なんだろう?」と想像して欲しい。正解も間違いもないんです。もちろん私自身には意味があって描いた動物でも、色々想像してもらえる事が楽しみでもあります。

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Coordinate Room at Cross Hotel Sapporo, 2015, Photo: Hajime Nohara

アートフェア札幌 2015連携企画として、クロスホテル札幌で11月から3ヶ月間のみの宿泊プランとして販売されている一室限定のコーディネートルームでは、12月のコーディネートを担当なさっていますね。

宿泊されるお客様が楽しい気持ちになってもらえるように意識して、新作を描きました。加えてクッションも制作しました。お部屋をコーディネートするのは楽しいですね。

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“Looks Like X’mas.”, Clark Gallery+SHIFT, Sapporo, 2015, Photo: Erika Kusumi

今回の個展「ルックス・ライク・クリスマス。」展のテーマ「クリスマスのように見える」について、具体的なお話を聞かせて頂けますか?モチーフとして登場する動物もクリスマスを意識してのセレクトですか?

実はちょっとひねくれています。たぶん散々仕事でクリスマスをテーマに描いてきたからでしょう。本来のクリスマスはキリスト生誕の日。クレシュ・ド・ノエルや絵を見ると、キリストは馬小屋(納屋)で誕生するのですが、馬は居なくて、牛とロバと羊が描かれているのです(何故だろう?という疑問などを書くと宗教的なお話しになってしまうので止めます)。そこで、今回の展覧会でも馬以外の動物やマリアを描き、見に来てくれた人たちを迎えているように、そしてクリスマスのように見える展示を心がけてみました。

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“Looks Like X’mas.”, Clark Gallery+SHIFT, Sapporo, 2015, Photo: Erika Kusumi

シンヤさんにとってのクリスマスは、どのような存在ですか?

子供の頃は父が山から切ってきた木にオーナメントを飾って、母がケーキを作ってみんなでデコレーションして、プレゼントを心待ちにするというワクワクなクリスマスでした。今は24日には教会に行ってハレルヤを歌って平和をお祈りする日です。

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