アイ・ウェイウェイ「アット・ラージ 」
HAPPENINGText: Fuyumi Saito
レゴブロックを用いて作られた人々の顔が床一面に敷き詰められている部屋「トレース」。その信仰や活動のために投獄または国外追放されたアウン・サン・スーチン、マーティン・ルーサー・キングなど176名の活動家達が並ぶ。レゴ一つ一つが組み合わされて制作されたその顔からは、「個と集団」「巨大な国の権力と個人」という意味を読むこともできる。
“Trace”, Photo: Alison Taggart-Barone, Parks Conservancy
ニュー・インダストリアル・ビルディングのガン・ギャラリーと呼ばれる細長い廊下ではかつて、武装した監視員が囚人達の仕事をガラス越しに見張っていた。
“Refraction”, Photo: Ryan Curran White, Parks Conservancy
破れたガラス窓のギャラリーからその仕事場を見下ろす形で展示されているのが、巨大なメタルの翼「リフラクション」だ。実際の鳥の翼をもとにデザインされてはいるが、羽の代わりについているのは、鍋やヤカン、そしてソーラーパネルだ。中国に長きにわたり支配されてきたチベットで使用されているものだ。
“Refraction”, Photo: Jan Stürmann, Courtesy FOR-SITE Foundation
「ウィズ・ウィンド」ように、飛ぶモチーフは自由をイメージさせる。しかしその素材は5トン以上あるメタル。解放を求める葛藤とともに、一方で、ソーラーパネルは飛ぶためのエネルギーを密かに溜め込もうとしているようにも見える。
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