「ビ・ロンギング(憧れ/記憶のかけら)」展

HAPPENINGText: Fuyumi Saito

ニナ・ディエッツェルの「パリ・シリーズ」は、二枚の写真が1作品として並べられる。1枚は男性的な形やイメージ、もう一枚は女性的な形やイメージだ。

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Nina Dietzel  “Paris Diptych 1”, edition of 7

青緑の乗り物のシートと、青壁を背景にいかにも暑そうに生い茂る植物の鉢。黄色いカーテンの下に伸びるマネキンの白い脚と横たわる腕。白いコインランドリーマシンと黄色い乾燥機。並ぶ2枚の写真の間には、各被写体や風景の色や素材に何かしらの共通点があり、それが不思議な緊張感を生み出している。

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Nina Dietzel  “Paris Diptyches 3”, edition of 7

見る者はそれをヒントに彼女の切り取った世界に入り込み、二つのイメージをつなげていくことができる。片一方だけでは意味をなさない、ここではまた、人間の生活空間や世界の空間が、物理的には離れているけどつながっている、そんなメッセージを感じることができる。

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