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リー・ラナルド

PEOPLEText: Victor Moreno

実際にスタジオでレコーディングしたものから、逸脱したようなライブが好きですか?

演奏する方法次第で、曲に生き生きとしたそれぞれ違ったエネルギーを注入することができます。ジャンルに捕らわれず、とりわけこのアルバムは毎晩違った演奏が可能なのです。そういった理由で、ツアーの際はデモCDともう一つリハーサルCDを販売していて、「ラスト・ナイト・オン・アース」よりも長いものもあります。アコースティックデモ、エレクトリックバージョンなど様々です。

レコーディングの過程も、ライブ演奏もどちらも同じように楽しんでいますか?

どちらもですね。レコーディングスタジオにいるのがとても好きです。いつも魅了されてきたし、今は自分の歌をレコーディングを行い、とても楽しんでいます。ソニック・ユースとして皆で行っていた制作とは全く違っていて本当にどちらも大好きです。

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Courtesy Lee Ranaldo & Galerie Jan Dhaese

ソニック・ユースはジャムセッションなどから始まったように思いますが。

そうですね、まず最初にアイディアがあり、そこから広げていきます。このようにしてこの曲ができるわけです。

なるほど。アコースティックソングを手掛ける際は、チューニングを加減するのですか?

ええ、かなりの違ったチューニングを利用しています。ソニック・ユースのときのものとは全く違うものです。チューニングは毎年進化し、どんどん新しいものがでてきます。

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Photo by Victor Moreno

90年代初期にバンドが始めたアンプラグドな演奏が思い浮かびます。ソニック・ユースのオプションにはなかったのですか?

ありませんでした。これまでに行ったアコースティックライブは、ニール・ヤングが毎年行っている、障害を持つ子供たちのための学校への寄付を募るコンサート「ブリッジ・スクール・ベネフィット」の2度のみです。1991年くらいだったかと思いますが最初のライブは、ひどいものでした。その10年後に行った2度目はとてもよくなりましたが、その後アコースティックライブをやることはありませんでした。でもこのプロジェクトのおかげで、アコースティックライブや、アコースティックのソロ活動を多く行うこととなりました。4月にバルセロナで1週間を過ごし、全てアコースティックの曲をレコーディングし、現在ミックスしています。私の曲とカバー曲を含んだアルバムです。今回のセッションでニール・ヤングの「レボリューション・ブルース」を7インチのシングルで発売します。

プリマベーラ・サウンドに関連してですか?

はい、それがフェスティバルレーベルになります。5日間スタジオで、アコースティックギターとスタンディング・バスで15曲をレコーディングしました。

このアルバムがライブレコーディングで制作されていたことは知りませんでした。

スタジオで全てマルチトラックで行っています。それを現在スペイン人のプロデューサーがミックスしてくれています。

どなたですか?

ラウル・フェルナンデスといい、レフリーのような役割、そして演奏にも多少参加しています。

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ここで、少し昔のことを伺いたいと思います。特にグレン・ブランカと共に活動されていた頃のことについて教えてください。

特に際立っていて、特別な時代だったニューヨークにいられたことで格別な時間を過ごしました。音楽、芸術など様々な分野の文化的な活動が盛んに、そして実験的に行われていて、とても刺激的で、興味深いものでした。

ギタリスト、ミュージシャン、アーティストの立場から、当時の活動やビジョンと、現在のものの見方の違いは何かありますか?

当時はとても造形的だったと思います。これまで起こったこと、学んだことは全てとても強い影響を与えています。参加したかどうかに関わらず、ソニック・ユースやグレンなどと共にニューヨークで見たもの、多くの体験は、私がつくる音楽に深く関わっているように思います。インターネットやこういったジャンルの音楽を取り上げる雑誌もなく、当時とても小さな秘密の音楽シーンは非常に貴重な時間で、ティーンエイジ・ジーザス・アンド・ザ・ジャークス、ザ・コントーションズ、DNAなどの主なバンドはニューヨークを離れることがなかったので、ニューヨークにいなければ体験することができなかったと思います。

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