点 TEN_DO_TEN

PEOPLEText: Noriyuki Abe

2001年にウェブサイト「ten_do」をスタートし現在もピクセル・デザインのオリジネイターとして、ドメスチックに、セクシーに、クラフティに、クレイジーに、ストイックに、日々のピクセル・デザインをベースにジャンルを問わず多様なメディアで活躍中のten_do_ten(点)にインタビューを行なった。「ten_do」では毎週、新たなアートワークが公開され、現在600週を超えてコンティニュー中!!

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tarten_check_business_man (self-portrait, photo: Norio Kidera)

まず、自己紹介をお願いします。

点が点を点々とピクセル・デザインする、ジャパニ〜ズ・ピクセル・デ・ザイナ、点/ten_do_tenですっ!

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pixel_satin_stitch_A_to_Z (satin stitch : jung-jung)

いつ、どのようなきっかけでピクセル・デザインを始めたのですか?

コンピュータでのピクセル・デザインということであれば、アミーガというコンピュータで、メガ・デモという自作のグラフィックやアニメーションをフロッピー・ディスクで記録したものを自力で配るというDIYムーブメントがあったのですが、そのグラフィックやアニメーションでピクセル・デザインをスタートしました。当時はピクセルベースのペイントソフトしかありませんでしたのでパソコンでグラフィック作品を作る=ピクセル・デザインでした。美大に入り立ての頃です。コンピュータを使わないピクセル・デザインなら、初めて買ってもらったレゴ・ブロック「#345 モダンハウス(名作ですっ)」をバラバラにして何かサムシングをデザインをした時です。4歳くらいだと思います。

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nude_picture_book_&_craft_painting_exhibition (photo : Hiroaki Aikawa)

ピクセル・デザインの強みと弱みはなんでしょうか?

正直にいってこの質問はすごく難しい質問です!答えが長くなりそうです。(笑)何に対しての「強みと弱み」かによって答えは全然違うものになると思うのですが、ベクター・デザイン(アドビ・イラストレータ等を使用する、紙メディアを中心に定着することを前提とした、いわゆるグラフィック・デザイン)に対して答えるとすると、まず、ピクセル・デザインは定着するメディアがモニタースクリーンの場合、デザインする場とメディアが同じという強みがあると思います。現在は非常に細かいスクリーンになってきているので、話がまたヤヤコシイのですが、ベクターデザインはどんなメディアにも対応するようにデザインする側面があるのですが、ピクセル・デザインは、デザインするメディアに解像度が低いという制約がある場合に、最も強さを発揮するデザインだと思います。例えば、初期ビデオゲームや初期携帯端末のスクリーンや、今後出てくるであろう新しいメディア、例えば、眼鏡型端末や腕時計型端末や、布に刺繍する場合です。布地にプリントすることがベクター・デザイン。布地の編み目を意識して刺繍することや、布自体を編むニッティングがピクセル・デザインだというと解りやすいと思います。デザインによっては刺繍やニットの方が存在感があってチャーミングな場合ってありますよね。それがピクセル・デザインの強みだと思います。僕はいつもモニタースクリーンに刺繍する感覚でデザインしています。同時にメディアに制約が無い場合は、ある意味それがモダンデザインがいうところの、単なる装飾になってしまうという弱み(ですが、僕自身はそれを弱みと思ってなくて、それについては色々話したいのですが、長くてウザい話になるのでまた今度・笑)があると思います。

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