NIKE 公式オンラインストア

ダミアン・ハースト回顧展

HAPPENINGText: Mike Sullivan

常に刺激的ではっとさせる作品を発表し続けてきたダミアン・ハーストの過去20年の代表作を集めた大回顧展がテート・モダンで開催される。ダミアン・ハースト(1965年生まれ)は、1980年代からイギリスのアートシーンだけではなく、国際的に偉大な影響力を与えているアーティストの一人。ロンドンのゴールドスミス大学にて美術を修学。1988年に初めての展示会を開催。1990年代から彼の活動の力強さはより勢いを増し、1993年にベニスの国際展示に参加した後、1995年にはターナー賞を受賞。1997年には自伝を出版している。

テート・モダンは、テムズ川沿いに建つ少し変わった建物。元々1947年から1963年の間は、電力発電所だったここは、高い煙突がひとつついたレンガ造りの建物で、地域の中でもひと際目立っている。1996年から2000年の間にアートギャラリーとして運営され、2000年5月にオープン後は、40億人以上の来場者が訪れ、ロンドンでは最も注目されている場所である。特別な展覧会が開かれる場合は入場料がかかるが、基本的に入場料は無料。14の展示室とショップを利用して展覧会が開催される。

ニューポート・ストリート・ギャラリー ダミアン・ハースト
Damien Hirst “Beautiful, childish, expressive, tasteless, not art, over simplistic, throw away, kid’s stuff, lacking integrity, rotating, nothing but visual candy, celebrating, sensational, inarguably beautiful painting (for over the sofa)”, 1996. Household gloss on canvas and electric motor. © Damien Hirst and Science Ltd. All rights reserved. DACS 2012. Photographed by Prudence Cuming Associates

最初の3つの部屋には、ハーストのスポット・ペインティング・シリーズが格子状に並び、色鮮やかなカラースポットは、めまぐるしいほどの光景だが、きちんとしたメソッドで構成されている。また、そこには1988年に初めて公開された彼の写真「With Dead Head(死人の頭と共に)」(1991年) が展示されている。作品には、実際に死人と並び、ポーズをとっている姿を見ることができる。「The Medicine Cabinet(薬品箱)」(1992年) は、症状や体に合わせた薬品が並び、ここ数年でつくられきた様々な種類の薬を一度に見るのはとても印象深い。ハーストは、母親の薬に頼り切る様子からインスピレーションを受けたというが、芸術としての価値は懐疑的である。

ニューポート・ストリート・ギャラリー ダミアン・ハースト
Damien Hirst “The Physical Impossibility of Death in the Mind of Someone Living”, 1991. Glass, painted steel, silicone, monofilament, shark and formaldehyde solution. © Damien Hirst and Science Ltd. All rights reserved. DACS 2012. Photographed by Prudence Cuming Associates

その次の作品は、この中でも最も話題になった作品「A Thousand Years(千年)」(1990年) というタイトル。ガラスケースに牛の頭と無数のハエを放ち、蛆は牛の頭を食べてハエになり、死んだハエはそのままになっている。生と死の人生のサイクルを表現しているが、残酷で臭いも想像を絶する。ある来場者は、「無知」だと言い、次の部屋へと去った。だがしかし好き好まなくても、現実であることは変わりなく、人々を考えさせる。これが真のアートといえるのだろう。また、ハーストの作品の中でも象徴的な作品、「Physical Impossibility of Death in the Mind of Someone Living(生者の心における死の物理的不可能性)」(1991年) は、ガラスケースにホルマリンで漬けたサメを保存。その口は大きく広げていて、今にも獲物を食べるようにも見える。目的としては、観るものに恐怖を感じさせること。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
鈴木将弘
MoMA STORE