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ニューポート・ストリート・ギャラリー

PLACEText: Mike Sullivan

1990年代にアートシーンに現れ、従来のアーティストという概念を覆したダミアン・ハーストは、おそらくイギリスで最も有名なアーティストといっても過言ではないだろう。彼の作品は人々に論争を起こし、特に「Mother and Child Divided(引き裂かれた親子)」(1993年)のような牛の親子それぞれを二つに切断した作品において「アートとは何か?」という問いを投げかけることとなったのは記憶に新しい。

ダミアン・ハースト ニューポート・ストリート・ギャラリー
Newport Street Gallery © Victor Mara Ltd, Photo: Prudence Cuming Associates

ダミアン・ハーストは、ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBAs)の寵児として《A Thousand Year(千年)》(1990年)や《The Physical Impossibility of Death in the Mind of Someone Living(生者の心における死の物理的不可能性)》(1991年)などの作品で着実にその名を轟かせ、20年以上経った今でもそれらの作品は多くの観客を惹きつける。1995年にイギリスの国立美術館テートよりターナー賞を受賞し、イギリスのアートに対する人々の注目度を高めたと讃えられた。

彼のような貢献を遂げてきた人物がアートを永続的に展示する場所を必要とするのは、とても自然なことだろう。ニューポート・ストリート・ギャラリーは、そんな彼自身が所有するアートを世の中にシェアしたいという彼の願いがかたちになった場所である。ロンドンで有名な国会議事堂からそう遠くはない、同市内の南側はランベスにあり、同エリアには有名なアートギャラリー、ビーコンズフィールド・コンテンポラリー・アートも所在する。

ニューポート・ストリート・ギャラリー © Victor Mara Ltd, Photo Yuki Shima
Newport Street Gallery © Victor Mara Ltd, Photo: Yuki Shima

ロンドンでは、印象的かつ個性的な外観の建物を良く見かける。れんが造りの建物はこのあたりでは珍しいものではなく、れんが造りの家々が並ぶ風景のなかを、れんが造りの高架線が走っている。これが逆に「普通ではない何かがあるのではないか」と考えさせられるわけだが、外観からすると周辺の住宅ではないことは分かるが、それ以外に特別変わった感じは見受けられない。

ニューポート・ストリート・ギャラリー © Victor Mara Ltd, Photo Yuki Shima
Newport Street Gallery © Victor Mara Ltd, Photo: Yuki Shima

施設は20世紀初頭に建てられ画家のアトリエとして使用されていた建物を使用しており、ロンドンの建築チーム、カルーソ・セント・ジョンにより3棟を改築し、デザインされた。37,000平方フィートにも及ぶ屋内には、6つの展示スペースを有している。内装はアートギャラリーらしく、フロアから天井に至るまで白一色で、今までに目にしたことのないほどにシンプルに感じられるのは、3箇所にある螺旋階段とその木板張りの階段の存在だ。

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