フィンスタ

PEOPLEText: Victor Moreno

どこの国でも独自の素晴らしい才能を発揮するのがとても上手な国、スウェーデン。スウェーデン人にはグローバルなメンタリティが自然と身についている、とも言えるだろう。数ある名高い学校のおかげもあり、イラストレーションやグラフィックの世界では、スウェーデンはとても潜在能力のある国として知られている。ヨーロッパの現代アーティストの中でも、ひときわ頭角を現しているのがスウェーデン出身のアーティスト、フィンスタだ。彼が持つポップ・カルチャーへの愛、現代の空気感、そしてそれらを世の人々の目に届かせ、表現することを自然の喜びとしているような彼は、現代のポップ・アーティスト達にニューウェーブを巻き起こしている。

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“Finsta electronics, the 2006 summer collection” at gallery Mirai Projects, in Gamlastan, Stockholm, May 2006

まずはじめに、自己紹介をお願いします。

大手企業が何かクールなことをしたいときに雇われる、アーティストのフィンスタです。

アートを学んだのは、南スウェーデンのアートスクールですか?それともストックホルムですか?

南部で育ちましたが、その後ストックホルムに越してきて、1999年から2004年までコンストゥファック大学で学びました。

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3 drawings from the titlesequence to “All rätt i världen” on U.R. Swedish TV. 2008

キャリアから見ると、あなたの作品スタイルはグラフィティと捉えている人々もいるようです。

僕の作品から、僕のバックグラウンドを想像するのは簡単だと思うし、そういう風に作品を作っていきたいです。これまでの人生で、僕は様々なものに興味を示してきたと思います。それらの中には興味を失ったものもあれば、今でもずっと心に残っているものもああります。何か大きなことをするのが好きで、自然と湧き上がってきたものを素早く表現するのが楽しいです。そういう要素は、グラフィティにはあると思います。

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Deliverance 12″ single released on Trunk Funk records.

時々、アニメーションの講師としても活躍されているそうですね。

ベックマンズ・スクール・オブ・デザインで、ここ数年ストップ・モーション・アニメーションの授業を行っています。自分の作品を違う視点から見ることができますし、若くてクリエイティブな人々といるのはとっても楽しいこと。時間があるときを見つけて、これからも続けていくつもりです。

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Illustration for danish FAT Magazine 2008

最近の新しいストリート・アートには興味はありますか?

あまり興味はないですね。トレンドは自分とは関係ない事だと思っています。

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Closeups at gallery Hangups Summer 2008.

他のアーティストとコラボレーション等はしていますか?

ごく親しい友人は数人いるけれど、彼らを除くとコラボレーションはあまりしていません。自分の思い通りにできる方が良いみたいですね。

音楽がとてもお好きだと伺いました。作品にどのような影響を与えていると思いますか?

作品を作っているとき、同時に楽しむことのできる唯一のものが、音楽です。人生の大部分を占めているし、音楽との関連性やそれの持つ雰囲気を作品に取り込むのが好きですね。映画やアニメーションは究極だと思います。音とイメージ、両方組み合わせての表現ですからね。

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Installation for the show “Everwanting streets” at Röda Sten, Gothenburg 2004

イラストからアニメーション、そして映画の作品への表現の変化について聞かせて下さい。

僕はいつも絵を描いていました。それは今でも続いていることですが、時々それは姿を変えることがああります。何か組み立ててみたり、動かしてみたり。絵が新しい形になるのや、その場所が変わったりするのが好きです。今まで使ったことのない、新しいテクニックを発見するのも楽しくて、個人的に好きなやり方をいろいろ探求しています。

どのような道具やソフトウェアを使って作品を作られているのですか?

大体は頭の中で出来上がりますが、ペン、カメラやコンピューターを使ったり、後はたくさんの秘密道具!

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“Mean mug” Sculpture in wood. From the show “Stuff” by Finsta, at Royal Cheese, Paris.

70年代〜80年代にかけてのアメリカのアンダーグラウンド・イラストレーションの影響がかなり見受けられますね。

アンダーグラウンドな漫画や、スケートボードのグラフィックが大好きで、彼らの規律に沿っていない姿勢がすごく格好いいし、それが僕を同じ方向へ導いたと思います。

何か個人的に集めているものなどはありますか?

僕の名前の書かれているものと、ストックホルムのホームレスの男性が描いた「Satan i Gatan」(英語で「Satan in the street」の意)というグラフィティの写真を集めているくらいかな。

アーケードゲームなんかは、自分たち世代のグラフィック・デザイナーにとても通じるものがありますよね。あなたの作品の「フリップ・アウト」でも、共通するものを感じました。

あまり、テレビゲームに夢中になったりはしていません。ゲーム自体よりも、グラフィックに興味がありましたね。テレビゲームやピンボールは、すごく良いグラフィックが多いし、ピンボールは機械という視点から見ても、すごくかっこいい物だと思います。

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Pink Stuff by Finsta at Gallery Steinsland Berliner Stockholm 2008

ストックホルムにある、 ギャラリー・スタインスランド・ベルリナー (GSB)で2回目の展示をされていましたね。

2年前に「ピンク・スタッフ」という展示を行って、今年はその続編の「グロッシー・スタッフ」という展示を行いました。GSBで展示ができるのは、純粋に心から嬉しい事です。

ストックホルムのアート・ギャラリーの現状はどう思われますか?GSBを選んだ理由をお聞かせ下さい。

ストックホルムの一般的なギャラリー事情について興味をもったことは一度もないし、あまり面白いとも思いません。業界は行き詰っているように思います。GSBにいる人々は全く違って、僕にはパーフェクトなギャラリーです。

現在進めているプロジェクトは何ですか?

今は、バートンのスノーボードに絵を描いているところで、2012年の冬季ユースオリンピックまでには商品が完成するはずです。

今年から来年にかけてのプロジェクトについても聞かせて下さい。

個人的に、インドで撮影したショートフィルムを編集しているところです。ストックホルムで撮影するつもりの、他の脚本も書いている最中。あとは、来年に公開される「TPB AFK」というパイレート・ベイ(スウェーデンの検索サイト)に関するドキュメンタリーの映画のポスター、タイトルやアート・ディレクションを行っています。

最後に、読者にストックホルムを楽しむヒントをいくつかお願いします。

ヨートガータン、フォルクンガガータン、ソーデルマルムのあたりで先ほど言った「Satan i Gatan」の落書きが見れると思います。一度スタイルを覚えると、たくさんの場所に描いてあることにすぐに気付くはず。
ギャラリー・スタインスランド・ベルリナー にもぜひ立ち寄って、彼らに気さくに声をかけてみてください。そして僕の本、「フィンスタ・グラフィックス」を手に取るのを忘れずに!

Text: Victor Moreno
Translation: Junko Isogawa

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