ソナンビエント・ベルリン 2006「音と視覚の展覧会」

HAPPENINGText: Yoshito Maeoka

ソナンビエント・ベルリン 2006は、サブタイトルに「音と視覚の展覧会」と題し、6月1日より7月16日までベルリン市街中心部の広範囲に渡って、大規模に開催された。

会場となったアカデミー・デア・キュンステ、ベルリナー・フェストシュピール、旧ポーランド大使館、クーダム/東駅のアリアンツのビル、そしてサウンド系アーティストのレジデンス会場であるテスラを中心に、約50組の国際的なアーティストがサウンドインスタレーションの展示の他、パフォーマンスや映像の上映を行った。また、ご存知のように会期中である6月9日から7月9日はワールドカップ期間中ということもあり、会場を利用したパブリックビューイングも開催された。

展示の全体的な傾向としては、音楽的な問題を取り上げた側面を持つ作品、サウンドインスタレーションとは何か、といったような根源的な問いかけを内包する作品が多かった印象を持った。音そのものを如何に取り込むか、如何に発するか、といった常につきまとう問題への回答である。例えばそれを多チャンネルで発するという選択肢を選ぶ作品、あるいは音を発するものそのものが作品、外の音をそのまま作品の中に取り込む作品等、色々なアーティストの解釈が表れていた。根源的には、全身を使って音や作品を体感する、という方向性が示されていたように思えた。

自分の意識の変化を呼び起こされた事だ。例えば、常日頃通り過ぎる道に設置されたサウンドインスタレーションに気付き、あたりの風景をもう一度再確認してしまうような、別の視点を喚起されたことがしばしばあった。別の見方をすれば、ワールドカップで盛り上がったこの街の喧噪も、その衰勢の変化の中に“芸術”として異なった意味を見いだせた、そんな展覧会だった様に思う。

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