TOKYO GRAPHIC PASSPORT

HAPPENINGText: Kayo Tamura

通称F.I.Tの名で知られるニューヨークのにあるファッション工科大学で出会った4人のデザイナーで構成される、グラフィックデザイン・スタジオ「スタジオ・ニューワーク」。

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彼らが2007年より実験的に始めたメディア「Newwork magazine」におけるデザインの重要性を定義し、「コントラスト」「リズム」「スタディー」などのカテゴリーに分け作品を紹介した。どの作品もコンセプトやテーマに沿って作られ、スタジオ・ニューワークのデザインに対する興味深さを感じられた。

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ゲルト・ヨンカースとヨップ・ヴァン・ベネコムは、2001年、ホモ・セクシャル文化にフォーカスを当てた「BUTT」を創刊し、2005年には、メンズ・スタイル誌「FANTASTIC MAN」を創刊した。

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雑誌のタイトルの由来については、面と向かっては言わない言葉をわざと選び、それをタイトルに使用したそうだ。この雑誌では、他の仕事に従事している人をモデルに起用し、プロのモデルは例外をのぞいては誌面に登場しない。モデル選びに定義はなく、どういった人がいいのかを、吟味して選んでいる。雑誌の大きな特徴の一つとして、基本的に全てセンタリングしている。イメージとタイポグラフィーを別々に切り離していると考え、どちらのほうをより重要視し、強調することができるのか。それを工夫する余地を残していると語った。「COVER」「NAMES」「STYLE」「TEXT」という項目に分けて、詳細な内容が語られたプレゼンはとても興味深かった。最後に雑誌は年に2回発行なのでウェブサイトの方にもぜひアクセスしてほしいとのこと。

2001年よりロンドンに拠点を移し、雑誌「インターセクション」を創刊したのが、フランス出身のアート・ディレクター兼デザイナー、ヨルゴ・トゥルーパス。

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最初に雑誌「CLASH」の話からトークが始まった。21歳のときに初めて雑誌の仕事をしたのが、CLASH。支払いを受けない、その代わりに自由が与えられたそうだ。そしてCLASHの次に手がけ、無料で配布したという「magazine」についても触れていた。magazineのカバーデザインでは、同じグリットを使いながらも毎回タイプフェイスを変えるやり方をとっていたそう。

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インターセクションの読者に対しては、平均的なスタイルの雑誌とは違ったアプローチをしてる。読者はマーク・ジェイコブスが誰なのかを知らないかもしれないが、スタイルやデザインに興味をもっているので、違ったやり方でグラフィックな要素を使う事によってディテールを示そうとした。また、彼は『今日紹介されているような雑誌、実験的な雑誌よりはもっと主流の雑誌に近い物があると言える』と語っていた。

最後に面白い動画を見せてくれた。毎回、ユーモアという感覚のものを取り入れたり、違った事をやろうとしているが、多くは非合法的な行為だったりする。考え方としては自分が自転車をこいでいるのではなくラジコン任せ、なのだそうだ。

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