ナッズ・インセンティブ・マガジン
THINGSText: Mizuki Matsuda
2015年9月末、12名の有名クリエイターの作品ビジュアルとインタビューのみを掲載した雑誌「NUZ」(ナッズ)が創刊された。
NUZ Incentive Magazine創刊号表紙、Photo: ウチヤマタクヤ
商業雑誌にはない「刺激」と「衝撃」を読者に感じて欲しいとの強い気持ちから、若者が自己資金をもとに自費出版。前半は、挑発的なビジュアルが次々に視界に飛び込んでくる作品ページ、後半は「有名クリエイターはなぜ、第一線のクリエイティブ業界で活躍できるようになったのか?」を焦点に、彼らの生き方、人脈、仕事を得るための営業、作品についての考え方などを聞いたインタビューページで構成されている。数名のクリエイターを紹介しながら、ページネーションに沿って本雑誌の視覚体験について書いてみたい。
Photo: 吉田多麻希
まずは、ベージュピンクがとろける唇、そして続く黒色が印象的な、フォトグラファー吉田多麻希の作品。一見、人間本来の色からかけ離れているかのような色をした肌の作品並ぶが、ページを進めるに連れ、むしろ人間の有機的な面がじっと見つめてくるようだ。
Photo: 磯部昭子
赤いドットから始まる磯部昭子の紙面は、写真が紙の上で踊っているようだ。赤、水色、青、モノクロ、そしてまた赤と続く構成は、写真だけを主役としない。インタビュー記事も幾何学に配列され、読み難いにも関わらず、彼女の写真作品が紡ぎ出す目眩にも似た、その文字を追っていたくなる。
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