FURL
PEOPLEText: Nicolas Roope
ブリックレーンのフルニエストリートにある「FUEL」のオフィス。ブリックレーンが流行る前からある、古い建物だ。中に入ってみる。かなりかっこいいオフィス。ミルク入りのイングリッシュティーを頂いた後、FURLのデーモン・ミュレイ(D)、ピーター・マイルズ(P)、ステファン・ソレル(S)に話を聞くことができた。
まず最初に、最近手がけた日本のクライアントのプロジェクトについて聞いてみた。
S:ミュージックリンクっていうネーミングとロゴをやったんだ。
D:東京に行くのは楽しかったけど、締め切りが結構キツくて、それでクライアント側も僕らのアイディアを快く受け入れてくれたんだ。躊躇したりとかはなかったね。
S:今までやったことない感じだったね。ロゴタイプっていうよりも、キャラクターを作ろうと考えてたんだ。
P:キャラクターものは全然やったことがなかったんだけどね。4歳児みたいにチューチュー鳴いたり喋ったりするキャラクターになったよ。
S:ポケモンのキャラクターでもよかったんじゃない?
D:いや、特別なキャラクターが必要だったんだよ。クライアントも、ロゴ/キャラクターとしてすごく気に入ってくれたし。それがTV(日本のインタラクティブTV番組のミュージックステーション)でどんな風に流れるのかは、分からないけどね。
P:5バージョンくらい作ったんだ。いつもはそんなに多くないんだけど。
S:全部Eメールでやり取りしたんだよね。
D:アニメーションでは、タマゴがキャラクターに変化するんだ。
P:担当してた人が、55歳だったんだけど30歳くらいに見える男の人で、彼と仕事をするのは楽しかったよ。
S:東京に行ったことで、いろんな人達との繋がりができて、最終的には「WOW WOW」っていう本/雑誌の制作に関わることになったんだ。
「WOW WOW」のコンセプトは?
D:面白いウェブサイトを見つけることができないっていう、アートに対する欲求不満から始まって、内容に的を絞ってウェブサイトをレビューするというアイディアを一つにまとめたんだ。デザインには、全く興味がなかったからね。
P:実際にオンラインに接続する必要なく、オンラインで何が起こっているのかを知りたがっている人達が沢山いると思うんだ。
D:雑誌を真似たマガジンサイトは沢山あるけど、それがインターネットの全てだとは思わないね。
P:「WOW WOW」のライターは、実際にはサイトをレビューしていないんだ。内容について議論するよりはむしろ、そのサイトが良いか悪いかの記録であって、そこから生まれる問題について語ってる。面白くないサイトにさえも、何かしら面白いものはあるかもしれない。そういったサイトは、サイトそのものを見るよりも、本に載ってるのを見た方が良く見えるっていうこともあるよね。インターネットは、TVやCD-ROMとは違った独特のポジションを、まだ十分発展していないんだ。インターネットのインタラクティブな特質は独特だと言えるし、インターネットになくてはならない物だと思うよ。掲載したサイトは、どういう風にやっているかっていうことじゃなく、サイトの主題で選んだんだ。全く主題を見つけられないものも中にはあったけど。
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