ヴァール(VÅR)

PEOPLEText: Victor Moreno

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60年代後半以降のグラフィックデザインやイラストレーションは、独学から学校で学ぶというスタイルへと成長しました。最近では、大学で学位も取ることができます。現在、この道に進もうとしている人達へのアドバイスをお願いします。

皆学生はそれぞれ異なるので、完璧な学校など存在しません。でも良い学校では、経験したり、新しいことを試したり、物事をひっくり返したり、ぶっ飛ばしたり、完全に失敗しても、それをやり過ごしたり、その経験から学んだり、沢山の機会があるでしょうね。やみくもに従来のやり方に従うより、自分の方針や、やり方を見つけることが、本当の意味で革新的な作品を作ることができる唯一の方法だと思います。

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特に注目している学校はありますか?

特にありません。学校にはそれぞれの方向性や善し悪しがあります。でも、ここ数ヶ月の間に、コンストファックというストックホルムのアートスクールに通う学生が作った作品について、とても興味深く、錯綜した話し合いが行われたんです。話し合いの内容は、表現の自由と、芸術の規制についてで、その話合いはそんなに注目されなかったけれど、多くの市民を魅了していました。多くの人が実は芸術作品について、芸術の定義について、アートスクールの学生の作品について、気に掛けているのが分かって面白かったです。

広告業界は賞を受賞するということに少しとらわれ過ぎているように思います。金獅子賞、ペンシル、プラチナ賞などが競争のシナリオを支配している。グラフィックデザインやビジュアルアートがもっとのんびりする時はくると思いますか?

殆どのデザインアワードが、非常にビジネスに関連したもののようだし、何かを売るためのただのもう一つの方法でしかないと思います。その世界とはあまり強いつながりを感じないので、あまりわからないですね。

これまで受賞した中で何か一番印象に残っていますか?

何年か前に受賞したトラナン・プライズ。ストックホルムのバーが毎年最も影響のあるお客さんに与える賞なのですが、とても素敵でした。

それは最高ですね(笑)。ご自身の目から見て、面白いフェスティバルなどはありますか?

スウェーデンでは、賞などは主に広告代理店の範疇だったりします。僕たちは、競争したり、遊んだり、受賞するのも良いとは思いますが、そういう類いのことには本当に疎いんです。

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手掛ける作品は、音楽やファッション業界に関するものが多いですね。活躍する初期の頃からどのようにやってこられてますか?

一緒に活動を始めた当初は、クラブイベントを手掛けたり、DJしたり、ビールを売ったり、ストックホルムの音楽シーンでアクティブに活動していました。なので、ポスターやフライヤーのデザインを手掛けるのは当然と言えることでしたね。自分たちや友人のプロジェクトのアートワークを手掛けることによって、徹底してヴァールが何であるかを定義する作品の主要な部分を磨いてきました。最近のプロジェクトには、ノルウェーで開催されるHoveフェスティバルのポスターや、少し風変わりなレコードレーベル「Du & Jag」のデザインなどがあります。

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