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OFFFフェスティバル 2009

HAPPENINGText: Eduard Prats Molner

オエイラス生誕250年のお祝いと重なり、今年の「OFFF」はリスボンのLXファクトリーから数マイル離れた元鋳造所で、その改築計画で問題となっているファンデッサォ・オエイラスで開催となった。
フェスティバルは、電車の駅からもほど近い、鋳造所にある大きな建物のひとつを会場として、インスタレーションなどに十分なスペースのある場所で行われた。

OFFF 2009
開場風景 – Kick OFFF!

フェスティバルは、主に大きなカンファレンスルーム、プレゼンテーションルーム、更にオーディオビジュアル系パフォーマンスルームと分かれており、ちょっとした展示やデザイン市場、バー、チルアウトスペースなども備えている。
建物に入って驚かせれたのが、メインとなるプレゼンテーションルームの広さだ。4つの大きなスクリーンと光や音の装置を備えた「ルーツ」と呼ばれるそのスペースは、収容される大勢の人を満足させるよう、的確にデザインされているようだ。

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「ルーツ」 – メインカンファレンスルーム

しかし、開催当初からテクニカルな問題があったようだ。残念ながら、開会式のスピーチでは音が小さく、おそらく部屋を構成する複雑な条件からうまれてた反響音が響いてしまった。カーブした屋根が非常に高さがあったからだろう。

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ネヴィル・ブロディによるプレゼンテーション

これには残念というしかない。運営陣やオエイラス町長による冒頭挨拶の言葉を全く聞くことができなかった。その後に続くネヴィル・ブロディのスピーチでは、エコーのためか司祭が説いているように聞こえた。ネヴィルは、インスピレーションの源となるような一連の写真と共にフェスティバルの幕を開け、後にリサーチ・スタジオでの彼の作品について説明してくれた。
『私たちがすること全ては、何かを告げるものであるべきだ。何かを物語るべきで、単なる技術的な練習であるべきでない』ネヴィル・ブロディは、デザイン牧師の神の言葉をその反響する部屋で伝播しているかのようだった。

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タイムズ紙のデザインを紹介するネヴィル・ブロディ

プレゼンテーションが進むにつれ音の状態も落ち着いてきたようで良かった。それか、僕たちの耳がその部屋の状況に慣れてしまったのか。でもここは、音声の担当の方が良くやってくれていると思おう。そうこうしている内に、ネヴィルがタイムズ紙の新しいデザイン作品を見せてくれた。それは従来の新聞のデザインフォーマットから切り離したものだった。

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マルチタッチ・バルセロナとヒューマン・インターフェイス

マルチタッチ・バルセロナは、人とテクノロジーの自然なコミュニケーションを展開している新進のインタラクティブデザイングループ。彼らによる「ナチュラル・インタラクション・プロジェクト」は、大学の研究室で始まり、現在もその研究は熱心に続けている。「ヒューマン・タッチ」はとても面白く、ガラスのインターフェイスにタッチすると、その展示物の中にいる実物の人間による操作で動く、というもの。彼らは他に、2008年レッドブル・ミュージック・アカデミーのために手掛けた「グーテン・タッチ」などのプロジェクトを紹介してくれた。

マルチタッチ・バルセロナは、感情を読むことについてを取っ掛かりに、人が出会い、コミュニケートする場としてさらに進んだインターフェイスを構築するという、感覚、限界、感情について話していた。彼らがどのように、感覚のためにデザインすることから、コミュニケーションのためにデザインすることにシフトしたかについて説明すると同時に、漠然としたFacebookのようなソーシャル・ネットワークの側面についていくつか批判していた。

マルチタッチ・バルセロナの作品が技術的革命を起こしてるものとは言えないが、新鮮な触覚性インタラクションのアイディアを紹介してくれた。例として、彼らによる「スペース・インベーダー」では、投げてくる玉に自らが当たりに行かなくてはならないというもの。力強いマルチプレーヤー体験が可能で、これはとても面白いものだった。

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ステージ風景

初日のプログラムミスにより、カーステン・シュミットによるプレゼンテーションは見ることができず残念だ。

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