OFFFフェスティバル 2009

HAPPENINGText: Eduard Prats Molner

短い休憩の合間にデザインマーケットを覗いてみた。そこで小さなすたんで展開していた面白いアートオークションを発見した。アレックス・トロシュSI・スコット等の作品を申込用紙に記入して入札することができる。

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「Mercadillo」デザインマーケット風景

デジタル・キッチンは、映像で作品を紹介していた。彼らの作品は、モーション・グラフィックスとタイトルシークエンスのデザインを特徴とする。

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デジタル・キッチンによるスライドプレゼンテーション

デジタル・キッチンのプレゼンテーションは、主にHBOのドラマシリーズ「True Blood」のメインタイトルシークエンスにフォーカスし、どのように撮影し、後にどう編集したかなどを説明していた。

彼らは、撮影現場となったルイジアナからシアトルまでの全行程において、スーパー8や35ミリからデジタルまでいくつかの種類のカメラを使用し撮影している。その撮影期間に、素晴らしい人々と出会ったことを話していた。また、編集の際には、色の調整や写真を燃やすのを撮影して”本当の”エフェクトを使用するなどについて紹介した。

今回期待されるスピーカーの一人、ステファン・サグマイスターが壇上に立った。彼は黒地に白い水玉の女性用ドレスを着ていた。おそらく、フェスティバルにもっと女性の参加を求めるポーラ・シェアに対して彼の彼女へのサポート的メッセージを送っていたのだろう。

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ステファン・サグマイスターによるプレゼンテーション

デザインと幸せについて語ったステファン。素晴らしいスピーカーだ。彼のTEDでのトークは要チェックだ。

『デザイナーはどれだけハッピーか?』を分析し『自由に考えよう。プロジェクトには何も遮るものはありません。様々なツールやテクニックを使い、新しい場所へ旅をして、自分にとって重要なプロジェクトに取り組み、プリンターから良くなったものが甦ってくる』彼は、手掛けた作品を例にしながら、ハッピーなデザイナーとなるための重要なポイントを挙げた。

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サグマイスター『こだわりは人生にとって良くないが、作品にとっては良い』

幸せを分析した後、経験について話を前に進めた。『これまでに習得した事柄』『皆自分が正しいと思っている』『お金は自分を幸せにしてくれない』『正直でないことは自分自身に背いている』『こだわりは人生にとって良くないが、作品にとっては良い』『自分に自信を持つことは良い結果を招く』『ガッツを持つことは自分にとって良く作用する』など。美しい作品で描かれたそれぞれのポイントはここで見ることができる。自分の作品(声明)を応募することもできるし、他の人の作品を見ることも可能だ。

観衆からの暖かい拍手に包まれステファンのカンファレンスは幕を閉じた。彼のプレゼンテーションは、とても刺激的で突き動かされるものがあった。

今回のフェスティバルの幕を閉じたのは、カイル・クーパーだ。映画のタイトルシークエンスの作品でとても有名な彼の作品には「セブン」「ミミック」「ドーン・オブ・ザ・デッド」などがある。

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カイル・クーパー

Prologueの若手デザイナー2人と一緒に手掛けた、2009年OFFFのメインタイトルシークエンスを披露した。更にカイルが手掛けたタイトルシークエンスの作品もいくつか紹介した。『僕にはこだわりがあります。マクロレンズの画素に興味があるのです』と彼は語っていた。

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