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ATAK NIGHT 4

HAPPENINGText: Mariko Takei

ATAK NIGHTとしては初のヨーロッパツアーを行ったそうですが、ヨーロッパツアーを終えた感想をお聞かせください。

どこも反応が違って面白いのですが全体的には停滞しているな、というか少し元気がないなという印象があります。これはしかし音楽だけの問題ではないと思うのですが。ただ、ベルリンは去年もやったということもあるし、音楽に新しい何かを求めている層が厚いので反応はやはり敏感ですね。

ATAK NIGHT 4
ATAK NIGHT 4 in Berlin, photo by Takeshi Furuya.

山口YCAMと東京UNITでのイベントは、通常のPAシステムとは異なりスピーカー8台によるマルチチャンネルツアーを行うとか。ATAK NIGHT4は、今までとどの様な点で異なるのでしょう?

コンサートやライブというのは単に音楽を発表するというだけではなくて、通常できない体験をする場所として機能しないと現在ではあまり意味がないと思っています。それは音の解像度や音圧を媒介にした体感だったり脳が振動する感じだったり色々なのですが、何にせよステレオでの再生というのは通常のリスニング環境にあまりにも近いので厳しいと思っています。なので以前から最低でも前後LRの4チャンネル、つまり四角で客席やフロアを囲むというのはやっていました。が、その倍なのでさっきも言ったとおり相当楽しみです。

今回の「ATAK NIGHT 4」ジャパンツアーの見どころを教えてください。

前述したマルチチャンネルによるライブというのもそうだし、全ての会場で高音質、高解像度、高音圧による圧倒的な体感を体験できることと、あとはラインナップを見てもらえれば分かると思います。東京のUNITにはあっと驚くようなシークレットゲストの参加も決定しているし。

今後のATAK NIGHTはどのように発展していくのでしょう?何か展望があれば教えてください。

僕は自分が思った通りに進んできたということがないので、展望とかは特にないです。ATAK NIGHTというイベント、レーベルショーケース的なもので誰かゲストを呼んでというスタイル自体が毎回、これが最後になるかもと思っているのですが、一緒にやってみたいと思う人がいたら続くでしょう。ただ基本的にはソロでのツアーやコンサートの割合が増えていくと思います。

ATAKの今後の予定を教えてください。

これはまだ発表していないのですが、7月に僕のサードアルバムをリリースすることになりました。かなり急なのですが。僕の場合どんどん音楽が変わっていくのでタイミングが難しいということもあって躊躇していたのですが、2006年にYCAMで制作したサウンドインスタレーション「filmachine」以降から「ATAK NIGHT4」ツアーまでのマテリアルや曲がほとんどになると思います。
その2ヶ月後の9月に初めてピアノ・ソロのアルバムをリリースします。これはもうレコーディングも終わっていてコンピュータやデジタルな要素は一切ない、自分の曲を自分で弾いているピアノのみのアルバムです。ただ録音はDSDでやったり色々通常のアコースティックとは違う試みもしているので解像度は非常に高いです。なので急にリリースラッシュなのですが(笑)。
秋からピアノ・ソロのツアーを何カ所かでやろうと思っています。他にも5月にカナダのi8uというアーティストとイギリスのトーマス・フィリップスというアーティストのコラボレーションによるアルバムリリースします。これは僕がプロデュースしてリミックスもやっているのですが、フィールドレコーディング/ドローンの決定的な傑作になったと思っています。
また、ATAKのメンバーであるevalaのセカンドアルバム、前述した刀根康尚さんのCD-ROM作品のリリースは年内の予定で既に決定しています。
あと来年、YCAMで新作のサウンドインスタレーションを制作予定なんですが、それをその後にヨーロッパでも発表することになっています。思い出せるのはこれくらいですが、他にも色々あると思います。とにかく予想がつかないことが多いので。

ATAK NIGHT4:sound tectonics #7
日時:2009年4月29日(水・祝) 開場19:00/開演19:30
会場:山口情報芸術センター スタジオA
料金:2,000円(前売・一般)、1,700円(any 会員・特別割引)、2,500円(当日)
チケット:山口市文化振興財団チケットインフォメーション (YCAM内)
TEL:083-920-6111(10:00〜19:00火曜休暇)
出演:渋谷慶一郎 (ATAK)、池田亮司、刀根康尚、evala (ATAK, port)
PA、8ch surround system;伊藤隆之 (YCAM InterLab)
主催:ATAK
共催:財団法人山口市文化振興財団
企画:山口情報芸術センター
https://www.ycam.jp

Text: Mariko Takei

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