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小島歌織

PEOPLEText: Mariko Takei

今回4月号のカバーアートを制作してくれたのは、北海道を拠点にグラフィックデザイナーとして活躍する元ハモニカビルのメンバーだった、コジコこと、小島歌織。ポスターなど広告やロゴデザインを手掛けるなどビジュアルデザインの他、写真家と組んでLOUDというユニットを結成し、彼女は詩を担当。言葉による表現も行う。ビジュアルと言葉、そのどちらの表現からも柔らかな時間を感じることができるだろう。4月9日より、携帯待受デザインの配信も予定している。

小島歌織
Photo: minaco.

自己紹介をお願いします。

小島歌織。北海道苫小牧生まれ、札幌市在住。コジコというニックネームで呼ばれることが多いです。札幌のデザインプロダクションの大西広告事務所でグラフィックデザイナーとして働いていて、傍ら作品も作っています。

小島歌織
folie a deux ポスター

現在の活動内容を教えてください。

Bar Dahliaというお店で4月20日から7日間行われる、演劇公演のフライヤーをつくりました。この演劇は店内のカウンターを使ってキャストが演じているのを客席から観るというちょっとめずらしい試みをします。見終わったあとは自分の周りの人たちが愛しくなると思いますよ。そして、6月にオープンするメルキュールホテルの1階、レストラン・バー「FINCH OF AMAZING DINER」のオープニングツールとブライダル用のタブロイドを手掛けています。お店の由来でもあるフィンチの鳥をイメージして作りました。ブライダルにも対応する広さで、アンティークのインテリアも素敵なお店です。

小島歌織
FINCH OF AMAZING DINERオープニングツール

グラフィックデザイナーを志したきっかけを教えてください。

小さい頃から絵を描くのは好きでした。高校生になってからも、お気に入りのアルバムジャケットやアーティストを真似て描いていました。このジャケットはどうやって作っているんだろう、やってみたいなとか、ぼんやりとですが思っていたんです。当時、絵が上手で尊敬していた先輩が美術専攻の大学に進んだことに影響されて、自分も進学。それから、グラフィックに興味をもちはじめて、今に至ります。だからきっかけをくれたのはその先輩です。

小島歌織
寿珈琲ポスター

広告、ロゴタイプなどをてがけてますね。代表作をいくつかご紹介ください。

珈琲店「寿珈琲」のシンボル・ロゴやツール。喫茶店など、日本独特の珈琲に対する価値や文化がつくられていること、お店がその考えを大事にしていることをヒントに作りました。形は珈琲豆や珈琲をイメージしています。
個人作品としてはポスター展のときに作ったポスターや、結婚報告のハガキ。カバーにも登場するりんごで作ったキャラクター「me.」です。

ポスターワークなどのビジュアルも多く手掛けてますが、シンプルなビジュアルからダイレクトにメッセージが届いてくるようなものが多いなと思いました。ポスターワークを制作する上で大事にしている点を教えてください。

限られた時間の中で何を伝えたいかわかるように、一度肉づけしたものを検証する時間をもつよう心がけています。でも、直観的なものは大事にしています。少し矛盾するかもしれませんが、論理的に解決できるマニュアル通りのものは、現実的じゃないと思えるんです。

昨年秋に札幌で開催された「さっぽろアートステージ2008」では、バスセンター駅と大通駅を結ぶ地下コンコースで行われた500m美術館の一環の「若手アーティスト200人展」に参加されたとか。どのような作品を展示されたのでしょう?

ロールシャッハテストで使用されるような左右対称のインクのシミを用いて動物をイメージした作品、リングのあとがついたスケッチブックの切れ端に緑の絵の具をつけた「草原」という作品を展示しました。アート作品を発表することははじめてでしたが、相互作用でデザインするときのヒントになりました。実際にその後、ロールシャッハでは左右対称の漢字を表した作品や、スケッチブックの切れ端の発想から年賀状をつくったのです。

小島歌織
home ポストカード

LOUDというユニットを結成し詩も書いているそうですね。LOUDの活動を教えて下さい。また、詩という言葉で表現することと、絵というビジュアルで表現することの相違点を教えてください。

LOUDはロンドンにいる友人のkirinと個人的な作品活動として2007年にはじめました。ブログに写真と言葉をのせることを不定期に行っています。いま、この瞬間にも、どこかで誰かが思っているようなワンシーンを作りたいと思っています。実は、kirinと私は一度も会ったことがありません。環境は違うけどそんなことがどうでもよくなる位仲良しです。ウェブ上でお互いの作品を通して親しくなり、知り合ってもう7、8年経ちます。
相違点は、アウトプットするときの意識に違いがあると思います。言葉のほうが気持ちとしては思い切っています。ビジュアルなら観る側を最優先して考えます。その点、LOUDはかなり直観的で、アーティスティックな表現に近いと思います。だからたまに、「こんなこと書いちゃって怖いって引かれちゃわないかなぁ」って(笑)。でも、弱くて情けない部分もちゃんとないと。

詩やビジュアルなどの作品を制作する上でインスピレーションは何から得ていますか?

友人、恋人、家族との日常会話やメール。そして音楽はつくるときの支えになってくれたり味方になってくれます。
瞬間的に見た絵を違う絵に見間違えたときや、言い間違いからはじまる言葉遊び。偶然でとりとめのないものに感じるかもしれませんが、そこから色んなものがうまれると思っています。

好きなアーティスト、本、音楽などあれば教えてください。

オーブリー・ヴィンセント・ビアズリーティム・ウォーカーマルチェロ・クラジルシック仲條正義服部一成町田町蔵弥勒ジャーナルアンワウンドブロンド・レッドヘッド
ほかにもあげきれないほど好きなものが沢山あります。

小島歌織
カバーデザイン「shift」Photo: minaco. Flash movie: kaori kojima, kazuhiro kikuch

今回のカバーデザインについて、どのようなコンセプトで制作されたのでしょうか?

SHIFTに、いつも新鮮な驚きを感じます。それをなにかで表せて、楽しめるものにしたいと思い、新鮮なりんごでアニメーションを作りました。日本では新鮮なお刺身の横に、一緒に捌いたばかりのピチピチ動いている魚の尾や顔を添えた「活け造り」というちょっと残酷な料理がありますが、そこからヒントをもらいました。きっとこのりんごも新鮮すぎて、動き出してしまったでしょうね。

ご自身のファッションのこだわりは?また、作品のファッションシーンへの展開などは考えたことはありますか?

私自身が気に入ってその服をきてハッピーになれればOK。チープなものや古着も好きだし、ブランドものだって買います。今後、ファッションブランドとコラボレーションできるような機会があれば最高ですね。プリントスカートやワンピース、バッグ、着物などのテキスタイルデザインに興味があります。

これから新たにチャレンジしてみたいことはありますか?

今回のカバーデザインではじめてアニメーションを作ったのですが、面白かったので、今度は人を使ってやってみたいです。そして、いつも素敵な写真を撮ってくれるminaco.とまた作品が作りたいです。装丁も挑戦したいです。

今後のご予定をお聞かせください。

今年は展覧会をしたいと思っています。
これからも、素敵な人や作品にたくさん巡り会う予定です。

小島歌織
http://h.crazyphoto.org
http://kojiko-rice.blogspot.com

Text: Mariko Takei

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