小島歌織

PEOPLEText: Mariko Takei

広告、ロゴタイプなどをてがけてますね。代表作をいくつかご紹介ください。

珈琲店「寿珈琲」のシンボル・ロゴやツール。喫茶店など、日本独特の珈琲に対する価値や文化がつくられていること、お店がその考えを大事にしていることをヒントに作りました。形は珈琲豆や珈琲をイメージしています。
個人作品としてはポスター展のときに作ったポスターや、結婚報告のハガキ。カバーにも登場するりんごで作ったキャラクター「me.」です。

小島歌織
寿珈琲ポスター

ポスターワークなどのビジュアルも多く手掛けてますが、シンプルなビジュアルからダイレクトにメッセージが届いてくるようなものが多いなと思いました。ポスターワークを制作する上で大事にしている点を教えてください。

限られた時間の中で何を伝えたいか分かるように、一度肉づけしたものを検証する時間をもつよう心がけています。でも、直観的なものは大事にしています。少し矛盾するかもしれませんが、論理的に解決できるマニュアル通りのものは、現実的じゃないと思えるんです。

昨年秋に札幌で開催された「さっぽろアートステージ2008」では、バスセンター駅と大通駅を結ぶ地下コンコースで行われた500m美術館の一環の「若手アーティスト200人展」に参加されたとか。どのような作品を展示されたのでしょう?

ロールシャッハテストで使用されるような左右対称のインクのシミを用いて動物をイメージした作品、リングのあとがついたスケッチブックの切れ端に緑の絵の具をつけた「草原」という作品を展示しました。アート作品を発表することははじめてでしたが、相互作用でデザインするときのヒントになりました。実際にその後、ロールシャッハでは左右対称の漢字を表した作品や、スケッチブックの切れ端の発想から年賀状をつくったのです。

小島歌織
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LOUDというユニットを結成し詩も書いているそうですね。LOUDの活動を教えて下さい。また、詩という言葉で表現することと、絵というビジュアルで表現することの相違点を教えてください。

LOUDはロンドンにいる友人のkirinと個人的な作品活動として2007年にはじめました。ブログに写真と言葉をのせることを不定期に行っています。いま、この瞬間にも、どこかで誰かが思っているようなワンシーンを作りたいと思っています。実は、kirinと私は一度も会ったことがありません。環境は違うけどそんなことがどうでもよくなる位仲良しです。ウェブ上でお互いの作品を通して親しくなり、知り合ってもう7、8年経ちます。
相違点は、アウトプットするときの意識に違いがあると思います。言葉のほうが気持ちとしては思い切っています。ビジュアルなら観る側を最優先して考えます。その点、LOUDはかなり直観的で、アーティスティックな表現に近いと思います。だからたまに、「こんなこと書いちゃって怖いって引かれちゃわないかなぁ」って(笑)。でも、弱くて情けない部分もちゃんとないと。

詩やビジュアルなどの作品を制作する上でインスピレーションは何から得ていますか?

友人、恋人、家族との日常会話やメール。そして音楽はつくるときの支えになってくれたり味方になってくれます。
瞬間的に見た絵を違う絵に見間違えたときや、言い間違いからはじまる言葉遊び。偶然でとりとめのないものに感じるかもしれませんが、そこから色んなものがうまれると思っています。

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