
世界中で痕跡を残し続けるカペリーノ&ペペローネ、ついに現る!
今月カバーに登場のキャップ&ペップが心地よい風を受けているように、私達もまた暖かな空気を感じることができる。それはクンゼル+デガが運んでくれた春の風。コレットのシンボルキャラクター「カペリーノ&ペペローネ」の生みの親であるクンゼル+デガが、春風に乗せて2人の言葉を届けてくれた。パリで花開いた2人のクリエイティブワールドは、ファッション、映画、CDカバー、パッケージ、本など様々な形で世界中に広がっている。パリを拠点にクリエイティブな活動を行っている彼らの話に耳を傾けてみよう。

© Photo by Khalil
自己紹介をお願いします。
美術学校出身のオリビエとアニメ映像を学んだ経験を持つフローレンスです。キャップ&ペップのクリエイターであり、ナラティブ・デザイナーでもあります。グラフィック作品やモーションデザインで物語を語ります。映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のタイトルシークエンスや、カーラ・ブルーニの「ラムルーズ」のPVを手掛けました。

The Art Of Living CD © Kuntzel+Deygas
マレーシアで今年初めて開催される「クアラルンプール・デザイン・ウィーク2009」(以下、KLDW)に参加されるそうですね。
そのイベントの一環で開催される「マキシマム・ミニマリズム・カンファレンス」に招待されたのですが、私達の作品が、どのように、なぜ、ミニマリズムに触れているのかを話す予定をしていて、その中で私達がカペリーノ&ペペローネの新しいバリエーションを展開するときに使用する「寿司的」アプローチについて語る予定でいます。キャップ&ペップの基本的で重要なコンセプトの「占拠」が意味するところは、すでに存在し確立された製品にキャップ&ペップが彼らの痕跡を残していくということです。これまでのコラボレートプロジェクトとして、メディコム・トイ、ラコステ、バカラ、イームズチェアなど、様々なアート分野においてカペリーノ&ペペローネによる「占拠」を行ってきました。カンファレンスでは、インディペンデントなクリエイションをどう進めるか、そのアイデアをシェアしたいと思っています。

Cap & Pep x Lacoste © Kuntzel+Deygas
KLDWの他、現在進めているプロジェクトについて教えてください。
「アート・オブ・リビング」後、2枚目のコンピレーションアルバムとなる「アート・オブ・スリーピング」(ランブリング・レコード)の準備をしつつ、そのテーマに基づいた映像をいくつか手掛けています。また、キャップ&ペップを象って作った「Hi-Fi」立体作品も始めました。

"Beauty And Her Beast" trench coat - Kuntzel+Deygas x Azzaro Couture © Kuntzel+Deygas
他の作品ではアザロ・クチュールとコラボレートした「The Beauty And Her Beast」(美女と彼女の野獣)の限定10着のみのトレンチコートがあります。また、アーカーとコラボレートした「The Beauty And Her Beast」ペアネックレスや、ジャガー・ルクルトとの「The Beauty And Her Beast」レベルソウォッチがあります。

"Beauty And Her Beast" two Reverso watches - Kuntzel+Deygas x Jaeger-Le Coultre © Kuntzel+Deygas
ちょうど完成したのが、日本のブランド「TOTO」の3分間映像で、今後予定されている展覧会でブロードキャストされます。現在はフランス映画のタイトルシークエンスを制作しています。ルネ・ゴニシ著とジャン・ジャック・サンペ作画による本「Le Petit Nicolas」を映画化したもので、ローラン・ティラールが監督し、2009年9月に公開予定です。
「ADD A DOG」は、クンゼル+デガの制作ツールとのことですが、具体的に教えて頂けますか?
私達がパートナーを組み始めた当初から、自分たちの制作ツールや場所が必要だと感じていました。定住場所を求めた結果、最適な方法で作業出来るようなオーダーメードのワークショップとスタジオを設置しました。スタジオはとても広々としていて、上映ルーム、コンピュータールーム、絵を描くスペース、事務所があります。デザインの為のお家というような感じです。

RMN © Kuntzel+Deygas
とても有名なカペリーノ&ペペローネの2匹はどこで生まれたのですか?また、デュオとして活動するきっかけや、現在の活動についてなど教えてください。
表に出る前は、キャップ&ペップは個人的な作品でした。彼らはデュオですが、私達の手掛ける作品は双対(対照、相補)しているものがほとんどです。キャップ&ペップはイタリア犬なんです。なぜならイタリアの正確に言うとイタリアのストロンボリ島でつくったから。私達は彼らを「実存主義」的な存在として捉えてます。彼らは、コミュニケーションの方法であり、彼らを通じてムードや感情や日常を表現しています。
カッペリーノは小さい四角い形をしてるほうで、ペペローネが丸みのあるほうです。彼らの個性はフレキシブルで状況により変化します。コレット、ヴォーグ日本、伊勢丹、RMN(フランス国内ミュージアムの機関)などを横断しています。また、彼らには香港、ドバイ、シンガポール、そしてまもなくクアラルンプールに友達がいます。

Vogue Nippon © Kuntzel+Deygas
ファッション、映画、CDカバー、パッケージ、本、キャラクターなど、幅広い作品を手掛けていますね。そのほとんどの作品からはユーモア溢れる遊び心がうかがえます。人を楽しませるような作品作りを敢えて意図されてるのでしょうか?また、どのようにアイデアがひらめいたリしますか?
私達は顔に微笑みを浮かべながら制作に取り組んでいるので、対する人たちに微笑みを誘うのも頷けます。アート、映画、ファッションなど、どの分野で作品が展開されようと、私達はいつも微妙なニュアンスというものに魅力を感じています。深刻な中にも軽さがあったり、平凡な中にも深さがあるように。
影響を受けた人や事柄はありますか?また、インスピレーションの源は?
(リズム、ジェスチャー、顔の表現という点で)物語風パフォーマンスをする上でサイレント映画がとても大きなインスピレーションとなっています。他に音楽もそうですね。音楽には精神を解放してくれる力や、ビジュアル表現に強い作用を感じます。
好きなこと、好きなものは何ですか?
友達と食事を共にすること。
犬と遠くに散歩すること。
こうしている時にアイデアが花開きます。
ファッションイラストレーターとしても有名なお二人ですが、お気に入りのファッションや、ブランド、ショップなど教えて下さい。
インディペンデントで強い意志を持ってつくられた、妥協していないファッションに興味があります。ブランドのイメージだけでない、クリエイターの個性が表現されているファッションが好きです。個人的には、マルタン・マンジェラやアザロのヴァネッサ・スアードの作品、コムデギャルソンの革新的なアプローチが大好きです。
今月のカバーデザインについてお話して頂けますか?
キャップ&ペップの占拠のもうひとつを今回シフトで展開しました。
キャップ&ペップのアニメで私達が大好きなものを使用しました。通風機から吹く軽い風に当たりリフレッシュしているキャップ&ペップのループアニメーションです。通風機にあったオリジナルの文字を「SHIFT」の文字のアニメに置き換えたのです。メッセージは「シフトが新鮮な空気を運んでくる」です。
今後の予定をお聞かせください。
キャップ&ペップによる占拠がもっとあるし、ビックリするような立体作品や物語ベースの作品などももっと展開する予定です。でも、何よりも私達のメインゴールは楽しみながら作業するということです。
Kuntzel+Deygas
ADD A DOG, 96 rue du poteau, 75018 Paris, France
Tel: + 33 1 42 55 43 94
contact@addadog.com
www.addadog.com
Text: Mariko Takei, Kazumi Oiwa