クンゼル+デガ

PEOPLEText: Mariko Takei, Kazumi Oiwa

ADD A DOG」は、クンゼル+デガの制作ツールとのことですが、具体的に教えて頂けますか?

私達がパートナーを組み始めた当初から、自分たちの制作ツールや場所が必要だと感じていました。定住場所を求めた結果、最適な方法で作業できるようなオーダーメードのワークショップとスタジオを設置しました。スタジオはとても広々としていて、上映ルーム、コンピュータールーム、絵を描くスペース、事務所があります。デザインの為のお家というような感じです。

クンゼル+デガ
RMN © Kuntzel+Deygas

とても有名なカペリーノ&ペペローネの2匹はどこで生まれたのですか?また、デュオとして活動するきっかけや、現在の活動についてなど教えてください。

表に出る前は、キャップ&ペップは個人的な作品でした。彼らはデュオですが、私達の手掛ける作品は双対(対照、相補)しているものがほとんどです。キャップ&ペップはイタリア犬なんです。なぜならイタリアの正確に言うとイタリアのストロンボリ島でつくったから。私達は彼らを「実存主義」的な存在として捉えてます。彼らは、コミュニケーションの方法であり、彼らを通じてムードや感情や日常を表現しています。

カッペリーノは小さい四角い形をしてるほうで、ペペローネが丸みのあるほうです。彼らの個性はフレキシブルで状況により変化します。コレットヴォーグ日本伊勢丹RMN(フランス国内ミュージアムの機関)などを横断しています。また、彼らには香港、ドバイ、シンガポール、そしてまもなくクアラルンプールに友達がいます。

クンゼル+デガ
Vogue Nippon © Kuntzel+Deygas

ファッション、映画、CDカバー、パッケージ、本、キャラクターなど、幅広い作品を手掛けていますね。そのほとんどの作品からはユーモア溢れる遊び心がうかがえます。人を楽しませるような作品作りを敢えて意図されてるのでしょうか?また、どのようにアイディアがひらめいたリしますか?

私達は顔に微笑みを浮かべながら制作に取り組んでいるので、対する人たちに微笑みを誘うのも頷けます。アート、映画、ファッションなど、どの分野で作品が展開されようと、私達はいつも微妙なニュアンスというものに魅力を感じています。深刻な中にも軽さがあったり、平凡な中にも深さがあるように。

影響を受けた人や事柄はありますか?また、インスピレーションの源は?

(リズム、ジェスチャー、顔の表現という点で)物語風パフォーマンスをする上でサイレント映画がとても大きなインスピレーションとなっています。他に音楽もそうですね。音楽には精神を解放してくれる力や、ビジュアル表現に強い作用を感じます。

好きなこと、好きなものは何ですか?

友達と食事を共にすること。
犬と遠くに散歩すること。
こうしている時にアイディアが花開きます。

ファッションイラストレーターとしても有名なお二人ですが、お気に入りのファッションや、ブランド、ショップなど教えて下さい。

インディペンデントで強い意志を持ってつくられた、妥協していないファッションに興味があります。ブランドのイメージだけでない、クリエイターの個性が表現されているファッションが好きです。個人的には、マルタン・マンジェラやアザロのヴァネッサ・スアードの作品、コムデギャルソンの革新的なアプローチが大好きです。

今月のカバーデザインについてお話して頂けますか?

キャップ&ペップの占拠のもうひとつを今回シフトで展開しました。
キャップ&ペップのアニメで私達が大好きなものを使用しました。通風機から吹く軽い風に当たりリフレッシュしているキャップ&ペップのループアニメーションです。通風機にあったオリジナルの文字を「SHIFT」の文字のアニメに置き換えたのです。メッセージは「シフトが新鮮な空気を運んでくる」です。

今後の予定をお聞かせください。

キャップ&ペップによる占拠がもっとあるし、ビックリするような立体作品や物語ベースの作品などももっと展開する予定です。でも、何よりも私達のメインゴールは楽しみながら作業するということです。

Kuntzel+Deygas
住所:96 rue du poteau, 75018 Paris, France
TEL: + 33 1 4255 4394
contact@addadog.com
https://www.addadog.com

Text: Mariko Takei, Kazumi Oiwa

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