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ヴェネツィア建築ビエンナーレ 2008

HAPPENINGText: Eduard Prats Molner

国際展示では、ポーランドの展示「ホテル・ポローニアー建物の余生」に、最優秀賞である金獅子賞が贈られた。また最優秀インスタレーションにはアメリカのグレッグ・リン・フォームの「リサイクルされたおもちゃの家具」が選ばれた。全ての受賞作品はここでチェックできる。

Venice Architecture Biennale 2008
ポーランドのパビリオン「建物の余生」

グルゼゴルグ・ピアテックとジャロスロウ・トライバスによる「建物の余生」は建築物の耐久性に疑問を投げかけ、時間の経過と社会的変容がいかに建築に影響するかを問う。これはリサイクル物件というものを、当初の意味を離れて再定義する作品ともいえる。

Venice Architecture Biennale 2008
「未来のリサイクルおもちゃ」グレッグ・リン

グレッグ・リンは沢山のプラスチック製の玩具を使って、魅力的な家具を製作した。『私の子供が、巨大で中身のないプラスチック製のおもちゃで遊んでいるのを見てアイディアを得ました。』と彼は言う。『誰もがすぐに手に入れることのできる製品に仕上げたかったのです。』

ジャルディーニで見られる全てのパビリオンを観覧したあと、私は思った。「展示を行った国全てが、建物を超える建築というテーマを真剣に考え抜いたわけではない」と。展示の中には、よくある建築展覧会で見られるような、ありきたりなフロアプランや建築モデルもあり、それらは総合ディレクター、アーロン・ベッツキーが提唱するものとはほど遠く、少々がっかりさせられた。

Venice Architecture Biennale 2008
ベルギー・パビリオン

個人的に印象に残ったのは、ベルギー・パビリオン。明るく白い空間に一面の紙吹雪が敷かれており、その一帯、さらには街全体にその跡を残していく。私は妻とちいさなトラットリアで食事をとっていたとき、ビエンナーレを訪れたのであろう隣の席の客が残していった2片の紙吹雪をみつけた。

また、エストニアの展示は、ロシア館とドイツ館の間にガス管を通すというインスタレーションで、この展覧会で最も挑発的なものであった。

Venice Architecture Biennale 2008
ガス管ーエストニアの展示

『計画中のノードストリーム・パイプライン・プロジェクトから発想を得て、このインスタレーションは実物大のガス管を、ロシア館とドイツ館の間に設置した。このプロジェクトの目的は、批判美術と建築の可能性を試すこと、そして現代の空間環境、政治的景観、生活基盤設備、エネルギー施設に課されている様々な課題を主張するものである』 – biennaal.arhliit.ee

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