ヴェネツィア建築ビエンナーレ 2008
アルセナーレの方は、計23のインスタレーションで構成されている。ただ見るだけの展示ではなく、どれもが非常にインタラクティブで遊び心に満ちたものであった。
私自身は、ヴィセント・ガラートがベスチアリオ、Iカタロニア建築推進協会 (IaaC)、ビット&原子センター MIT (CBA)とコラボレーションした作品が気に入った。
その作品「超住宅ー世界の再プログラミング」は、物体に埋め込まれたマイクロコンピュータで、家具、洋服、カトラリーといった我々の住む物質世界を表現したものである。そしてネットワークを表現し、繋ぎ、その間に横たわる関係性を確立するものであった。
「家具のプロトタイプ:潜在意識のための3つの家」アシンプトート
アシンプトートのプロジェクト「家具のプロトタイプ:潜在意識のための3つの家」についても触れておきたい。これは、光に照らされた滑らかなプラスチック製の物質が、建物と家具の間に設置されたインスタレーションだ。
ヴェネツィア建築ビエンナーレ2008への訪問は、素晴らしく、刺激的な経験であった。総合ディレクター、アーロン・ベッツキーは自らの問いに対して適切なテーマを用意した。建物を超えた建築を考えるということは、社会を考えること。そして、イギリスの展示で見られたように、現代の住居を批判することは建築に必要なことであるに違いない。我々はいま、世界規模で危機的な時代を迎えているのだから。
第11回 ヴェネツィア建築ビエンナーレ
会期:2008年9月14日(日)〜11月23日(日)
会場:ジャルディーニ、アルセナーレ
https://www.labiennale.org
Text: Eduard Prats Molner
Translation: Shiori Saito
Photos: Eduard Prats Molner