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ルシラ・ボデロン

PEOPLEText: Gisella Lifchitz

ルシラが好きなもう一つのものは、カメラだ。彼女はカメラを集め、それぞれで実験をする。デザイン、可能性、スタイル。彼女が新しいプロジェクトを手がけるのは、そのカメラにインパイアされているかのようだ。Lomoカメラでも、そうだった。彼女はLomoカメラを店で見つけると、スーパーサンプラー(1回シャッターを切ることで、複数レンズによる時間差のシーンを1枚の写真として撮影するカメラ)を選んだ。なぜなら、その断片、配列、構図に興味があるからで、これまでの構成から抜け出す必要を感じていた時だったからだと言う。『そのカメラによって箱から抜け出すことができ、自分の目を動かせました。私が撮った全てのもの、旅行、田舎、ビーチ、景色は、小さな頃に身近だった場所です。写真を見て気付きましたが、それは意識下で撮られたそれらの日々に対する敬意のようなものでした。』

ルシラ・ボデロン

70年代の子供の写真作品集「Tesoros Familiares」(家族の宝物)について教えて下さい。

これは、あるグラフィックデザイナーの友人と一緒に思いつきました。ある日、彼女に自分の赤ちゃんの頃の写真を見せたのです(父が写真が好きだったので、沢山ありました。)そこで私達は家族写真にある意味に気付いて、本を作りたいと思いました。家族写真を見ていると、社会的もしくは文化的な習慣を発見できます。これはインディペンデントプロジェクトで、自分達で出版し、ディストリビューションも今自分達でやっています。もともとのアイディアは、60年代〜80年代の写真を集めてコレクションをつくることでした。

ルシラ・ボデロン

写真と一緒にビデオもつくるのは何故ですか?

動きのある写真を手がけるのが好きです。新しいビデオや古いビデオを手がけていて、子供の頃に持っていたものもあります。全ての新しいプロジェクトが、それぞれ本、ビデオ、オブジェクトを伴います。コンボのようなものですね。様々な角度から見ることができれば、それに対する理解も深まるものです。

今までやっていないことで、してみたいことは何ですか?

もっと旅行をして、そこで見つけるものと出会いたいです。行きたい場所は、ロシアのモスクワ。ロシアの文化と歴史がとても好きなのです。旅行する時は全てが危険で、そこには私を奮い立たせたり動機付けたりする自由の感覚があります。さあカメラを一つ選んで出かけなければ。

彼女が荷物をまとめる前に、私はいくつかの宝物を手に入れた。運良く、彼女はそれを共有するのが好きなのだ。ポケットにはギフト、顔にはスマイルを浮かべ、宇宙に見つける場所を待ちながら、私はスタジオを出る。まさにルシラがそうしたように。

Text: Gisella Lifchitz
Translation: Yurie Hatano

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