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ジュリア・マスバーナット

PEOPLEText: Gisella Lifchitz

ジュリア・マスバーナットなら時間旅行映画の主人公にもなれる。
古風な美しさを持つ彼女は、まるで古い50年代の映画か何かから飛び出して来たようだ。でも、ロシア帝政時代の人のようにも、女性の心と少女の心が同居した不老不死の女性のようにも、遠くからやって来た私たちの知らないことを知っている女性のようにも見える。多分その辺りなのだろうけれど、分からない。だから彼女が考えている事が知りたいのだ。

Julia Masvernat

『あるものを取り出して、それを色々な方法で違うものに変えていくのが好き。都市や田舎、私たちの周りで動いているもの全てをコンテクストに入れる。一種の変換作業みたいなものです。』とジュリアは語る。

Julia Masvernat

彼女は、ビジュアルアーティストとして貧しい地域出身の子供たちに教育を行うNGO団体で活動するなど、社会的にも彼女のアートを拡大している。アーティストであると同時にグラフィックデザイナーでもあることから、その両方の手法を切り絵に取り入れている。現在では、中国古来の動く影を作る手法なども使い、それを現代のインタラクティブアートに応用した作品作り等も行っている。

Julia Masvernat

自己紹介をお願いします。

10年前、クレーリンというアルゼンチンの大きな新聞社で働き始めて、インターネットと出会いました。衝撃的でしたね。未来から来たって感じでした。私はデザインやプロダクトの制作をしていましたが、周りの皆は誰もインターネットなんて知らなかった。

アートとデザインの融合というのが、昔から常に私のテーマです。インターネットのおかげで、切り絵で作品を作っている世界中の人たちに会えるようになりました。テクノロジーは使うけれど、その壁を破っていこうとする彼らの姿勢が好き。アーティストって時々とても寂しくなってしまうことがあるから、インターネットはそれぞれの壁を越えるためのとてもいい手段だと思います。

Julia Masvernat

右往左往し、場所から場所へものを移動する自分自身を形容して、自らのアートを「飛ぶ花粉」と説明することが多い彼女。『変わるのは形式だけで、手作りでもインタラクティブな方法でも、私の作品は決して変わらないんです。色々な材料で遊んだり、どうやってそれを使おうかなって考えるのも好きですね。』

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