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デザインマイ・ヤングスターズ 2008

HAPPENINGText: Ayako Yamamoto

ベルリンという街の名を聞いて、まず人は何を思い浮かべるだろうか。ベルリンの壁、東西分断。そして壁の崩壊。その後の発展、有名建築家による建築の数々。アーティストの集まる街。常に何かが起こる、エネルギッシュな場所。いろいろなところで、いろいろな人が何かを始め、いまだに発展しているということが実感できる土地。

しかし、それぞれの環境、活動によって出てくる言葉はもちろん異なるだろうが、最初の一言で「デザインの街」と言う人は少ないだろう。2005年にユネスコによって「City of Design」と指定されたが、街を歩いていると必ず目に飛び込んでくるギャラリーの数に比べ、ベルリンからデザインという言葉を導きだすのはまだ難しい。

そんな中、第6回目を迎えるDMY(Design Mai Youngsters)が5月21日~25日の5日間にわたり開催された。もともとは2003年に始まったDM(デザインマイ)に参加していたこのイベント。独立したオーガナイズで規模が拡大し、DMが今年の開催をみあわせた中、メイン会場であるアリーナで150以上のデザイナー、クリエイティブ・エージェントがそれぞれのデザインを発表、シンポジウム、ライブが行われた。また、ベルリン市内の約33箇所がDMYによってフィーチャーされ、22日にはアリーナから点在する会場をまわるシャトルバスも出て、土地に不慣れな人、自分でまわるのが面倒くさい人にもありがたい試みがあった。

DMY 2008

メイン会場となったアリーナは、1927年に運送会社が建てたレンガつくりの巨大な倉庫、7000平方メートル。当時、シュプレー河を使った内陸水運の重要な港のそばにあり、バス240台をとめることができたという、支柱のないホールとしては当時のヨーロッパで最大規模のひとつ。視界をさえぎるものがないため、空港のチェックインカウンターを模した受付を過ぎると、思わず「でかっ」と、唸ってしまう。ブースのようになっているが、天井が高いのでテーブル、椅子、棚などの家具、ランプなどを、圧迫感がなく見て回ることができる。

DMY 2008

家具類は木製のものが多く目についた。引越しのときに便利だなとつい考えてしまう組み立て式、使う人の状況にあわせてフレシキブルに使用できるもの、壁を利用するもの。また容器とテーブル、ランプとテーブル、棚とテーブルなど、二つの家具類を組み合わせたデザインも印象に残った。

DMY 2008

PYG(Patricia Yasmine Graf)の本棚は、壁にもたせ掛けるタイプ。様々な大きさの四角い穴に差し込んだ本自体の重さで支えられる。棚板がなくても本棚として成り立つデザインが新鮮。

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