第5回 ベルリン・ビエンナーレ

HAPPENINGText: Yoshito Maeoka

シンケル・パビリオンはかつてのシンケル建築アカデミーに設置された、リカルド・パウリックによる八角形の建造物で、古典主義と旧東ドイツ的モダニズムを折衷したスタイルを持った建造物。ここでは若手キュレーターが過去の作家の作品を取り上げるというかたちで併せて五つの展覧会が催される。

第5回目ベルリン・ビエンナーレ

さて、一方の「夜の部」は「Mes nuits sont plus belles que vos jours(私の夜はあなたの昼より美しい)」と題され、月曜日を除いた会期末での毎晩、ベルリンの至る所で63の催し物が開催される。それらは、パフォーマンス、コンサート、ワークショップのみならず各種講演等が揚げられる。有名なところでは臨死体験を語る神経学者として名高いオラフ・ブランケがメルヴィン・モッティの提案をきっかけに講演を行ったり、カメロ・ジェイミーのフィルムと灰野敬二のコラボレーション等が見られる。

ここで私から、ベルリン・ビエンナーレを訪れようとしている人々に提案してみたい。もし、日程に余裕が有るようであれば、まず週末を挟んで1週間程度ベルリンの宿を予約してほしい。それほど高級な宿でなくてよい。できればかえって料理ができるようなキッチンのあるところがいいかも知れない。普段の生活に近しい環境をなるべく再現したい。

展覧会を見つつ、夜のプログラムをチェックしていくつか通う。たまにはゆっくりくつろいだり、たまにはパーティに出かけたり。そのように過ごすことを御勧めする。そうすることにより、展覧会が日常の風景の一部にとけ込み、パフォーマンスや突発的な何かに出会う、日常の中のちょっとした驚きが、鮮烈なイメージを残すだろう。

そうやって都市の風景の一部として今回の展覧会をとらえてみてはどうだろう。私はそのような経験の重要性をこの展覧会で再認識した。

第5回目ベルリン・ビエンナーレ
会期:2008年4月5日〜6月15日
会場:ベルリン市内
http://www.berlinbiennale.de

Text: Yoshito Maeoka
Photos: Yoshito Maeoka

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