プールギャラリー・ベルリン

PLACEText: Shintaro Miyazaki

プールギャラリーはベルリンのミッテ地区中心に位置するアーティストのためのスペース。2006年秋に、ラーシュ・ディットリッヒとサッシャ・ルビー・アネミックによって立ち上げられた。グローバルなアートコミュニティが広がる環境を生み出すことに力を入れている。ルビー・アネミックのアートディレクションとキュレーションの元、将来的にはロサンゼルスと東京にもスペースを持ち、大陸をまたいだ交流、対話を拡大することが目標だ。現在の展示プログラムは新生アーティスト達のグループによるもの。コンテンポラリーアート界のムードに収まらず、新しい領土にプロジェクトを持ち込もうとする様々な分野からのアーティスト達だ。

<プール・ギャラリー・ベルリン

プールギャラリーのキュレーターであり、アートディレクターのルビー・アネミックは、ベルリンのポツダムでグラフィックデザインを学び、ロサンゼルスやベルリンでファインアーティストとして展覧会を行ってきた。アネミック(彼のアーティスト名)は1975年、西ベルリンのグロピウスシュタッド地区で生まれた。60〜70年代に建てられたモダンな住宅街であったその地域に育ち、都市合併を経験。エネルギッシュで、偏見のない、都市的で野心あるキュレーターでありアーティストだ。ベルリンだけではなく、ロンドン、ニューヨーク、東京でも活動している。

プールギャラリー・ベルリン
Very Aggressive Brass Knuckles Metal 50 x 50cm Edition 8 2007, Ruby Anemic

プールギャラリーは、3名の常勤スタッフと2名のインターンと共に、DRAGOブックス出版、フォトグラファーのアレックス・フラックによる「ベルリン・コーリング」(クラッシュの有名なアルバム「ロンドン・コーリング」への応答)など、アートブックを展示してきた。アレックスはベルリンのクリエイティブ感の核を表現し、同時に壁の崩壊以来の早い都市のペースにおけるタイムリーマーカーとしての役割も果たしている。ベルリンが世界中の若くクリエイティブな人々のための場所になり、アレックス・フラックは大都市における新ボヘミアン・ライフを記録する。

プールギャラリー・ベルリン

またギャラリーはエイミー・シュタイン、メルセデス・ヘルンヴァイン、マギー・フォルスター、ジェームズ・ギャラガーなどの新生アーティスト達の展示を行ってきており、マイク・ミルズや他の若手アーティスト達との活動も予定。アネミックは常に先を見ており、新しいアーティスト達を探している。今年彼は日本でのリサーチツアーも行い、東京と京都のいくつかのアート学校を訪問した。彼の興味の対象は従来のファインアーティストだけではないようで、アーティスティックな野望を持ったグラフィックやファッションデザイナー、ミュージシャンにも及ぶ。「LODOWN」や「BANG BANG BERLIN」などの雑誌で、プールギャラリーは早くから取り上げられていた。

プールギャラリー・ベルリン
MY EMPIRE OF DIRT Ruby Anemic Installation 2007

このオープンマインド精神の理由は、アネミックのこれまでの活動や「システムサーチ」という音楽ビジネスのプロジェクトにも見られるだろう。リンドストローム、プライス・トーマス、グリマーツインズなどのアーティスト達を生みだしているエスキモ・レコーズやK2にも、アネミックは友人とリミックスを作成した。また、日本でも時に入手可能な「AMORE」というポスター雑誌を刊行している大手ミュージック・レーベル「GOMMA」ともコラボレーションを続けている。

プールギャラリーは今後、ケルンで行われる「アートフェア21」や「 トウキョウ101」への投稿、ほか世界中のアートフェアへの参加を予定している。

Pool Gallery
営業時間:12:00〜20:00(土曜日18:00まで、日曜日予約のみ)
住所:Tucholskystraße 38, Ecke Auguststraße, 10117 Berlin Mitte, Germany
TEL:+49 (0)30-2434-2462
info@pool-gallery.com
https://pool-gallery.com

Text: Shintaro Miyazaki
Translation: Yurie Hatano

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