
日本といったものをもっと深く掘り下げ、捉えていきたい。
「ネオ日本画」と自ら命名し、活動を続ける天明屋尚。2006年には、FIFAワールドカップの公式アートポスターを手がけ、その名や作品スタイルを確たるものにした。今年11月には新刊『KAMON / TENMYOUYA HISASHI』も出版される。「日本画」という伝統美術を踏まえつつ、その枠を超え作品を続ける天明屋氏に話を伺った。
まずはじめに、自己紹介をお願いします。
「ネオ日本画絵師」ことアーティストの天明屋尚です。


KAMON © 天明屋尚
2007年11月7日発売予定の新刊、天明屋尚オリジナル・ネオ家紋集『KAMON / TENMYOUYA HISASHI』について教えていただけますか?
私がいろいろな媒体に今まで提供して来た「家紋」的デザインに、新しく制作したデザインをプラスしてまとめた物を出版して頂くという運びになりました。私の第3作品集以降に制作した作品14点も、この『KAMON』には納められています。ですので、私の第4作品集といっても過言ではないでしょう。


KAMON © 天明屋尚
日本画や浮世絵の手法を使い始めたきっかけは何ですか?
小学生低学年の頃にたまたま日本画教室に通っていたのですが、その頃に知らず知らずに影響を受けた残像がいまだにあり、制作している...といった感じでしょうか。

百人一首 © 天明屋尚
FIFAワールドカップの公式アートポスターを制作され、海外からもさらに注目を集めたと思いますが、その前と後では反応はどのように変わりましたか?
これといって変わっていないと思います(笑)。私の作品を知ってくれた人は増えてくれたと思いますが。

龍神来迎図(制作途中)© 天明屋尚
映画『WILD STYLE』をはじめとするヒップ・ホップ文化に影響を受けたと伺いましたが、日本画もしくは浮世絵とヒップ・ホップ文化に共通点はあると思いますか?もしあるとすれば、どんな共通点があると思いますか?
ヒップ・ホップの4要素(ラップ、DJ、ブレイクダンス、グラフィティ)の中でもスキルが極めて重要なブレイクダンスには日本画に近いものを感じます。日本画も修練された高い技術が要求されます。1日ではけしてできない積み上げられた高い技術こそが説得力を生み、人々を感動へと導いて来たのだと思います。デュシャン以降の現代美術作品は、その技術を蔑ろにして来ました。というより技術を捨てて、すり変えるマジックによりいまがあるといった所でしょう。「美」たるものの本質を見失っているような気がして私はなりません。
天明屋さんにとって、日本文化の魅力とは何であるとお考えですか?
「粋」な所でしょうか。

反骨諷刺絵巻2006 孤独の侍編 © 天明屋尚
作品のモチーフを考えるとき、どんなものに発想を得ることが多いですか?
天から発想は降って来ます。冗談です (笑)。
では最近興味を持っていて、作品に取り入れようとしているものは何かありますか?
今まで自然というものに全くと言っていい程、興味がなかった私なのですが、山や川、木々や雑草などの自然にとても心ひかれました。また、空気の匂いや川のせせらぎ、虫の音色も同様に。
日本の自然や懐かしさを覚える何かが今、とても興味があります。日本人としてのDNAがそうさせているのかもしれないなどと想ったりもして。
今後、あの時に感じた感動をなんらかの形で作品に取り入れるかもしれませんね。
今後はどのような作品に取り組んでいきたいですか。
日本といったものをもっと深く掘り下げ、捉えていきたいと考えています。
天明屋尚オリジナル・ネオ家紋集『KAMON / TENMYOUYA HISASHI』
仕様:21.0 x 29.0 cm / 初版限定Cover ホログラム仕様
発売日:2007年11月
ISBN:978-4-903267-64-7
価格:3,990円(税込)
出版社:KING OF MOUNTAIN
TEL:03-3693-7070
contact@kingofmountain.info
http://www.kamondesign.com