エンライトメント
PEOPLEText: Mayumi Kaneko
今月のカバーを制作していただいたのは、グラフィッカーズの一員として、テイ・トウワらとツアーもする、イラストレーターのヒロ杉山率いる「エンライトメント」。イラストレーターとしての活動の枠を飛び越える、フリーペーパー「トラック」の制作により、クリエイターとしてのスタイルも確立、最近ではキムタクのTBCや、ホンダHRVなどのコマーシャルでも活躍中。
はじめに、自己紹介をお願いします。
父親が歯医者ということもあって、子供の頃からなんの疑いもなく自分も歯医者になろうと思っていたのですが、浪人中に突然、気が変わりこっちの道にきました。東洋美術学校卒業後、イラストレーターの湯村輝彦氏のフラミンゴスタジオへ入社。そこで仕事に対する姿勢、センス、その他ありとあらゆることを、学びました
エンライトメントを設立した経緯について教えてください。
1997年にスタートさせました。デザイナーの米津智之が参加。グラフィックデザインとイラストレーションの中間みたいなことがやりたくて。面白いビジュアルをつくりだす所といった感じです。
現在二宮美香が加わり3人でやってます。あまり大きな事務所にする事は、考えていません。最近は広告の仕事が多くなってきています。キムタクを絵にしたTBCや、平面構成で作ったパルコグランバザール、限りなくアナログに近いホンダHRVなどCFで動きものが続きました。
ヒロ杉山さん個人としての仕事と、エンライトメントとしての仕事の方向性に違いはありますか?
方向性の違いはほとんどありません。もともとヒロ杉山の方向性自体がすごく幅の広いものだったので。最終のアウトプットの段階が違うだけです。スタイルとかに捕らわれるのが好きじゃなく、極端な話、「今日一番やりたい表現を、今日やる。」というところなのです。
フリーぺーパー「TRACK」を始めたきっかけは何ですか?
展覧会をギャラリーじゃなく、紙の上でやろうと思って始めました。そしてもう一つグラフという素晴らしい印刷屋さんがあるのですが、そこのピーアールをしたいということです。
ここで伝えたいことは、一つは印刷物の魅力。ただの紙切れがインクをのせる事により大事にとっておきたくなるようなものに変身してしまうこと。もう一つ今、我々はこういうことに興味があり、こんな表現がしたいのですと、皆にアピールしたい。
パリのコレットで「TRACK」展を開催されたそうですが、反応はいかがでしたか?
パリの展覧会の後、世界中からメールをいただいてとてもビックリしています。海外の雑誌からもいくつか紹介したいとのオファーをもらいました。世界中のひとがコレットにきているのだな〜とコレットの人気を改めて実感しました。
「TRACK」では、毎回違う手法でデザインの提案をされていますが、そういったアイディアはどのようにして思い付くのですか?また今後の「TRACK」の予定は?
残念ですが 我々の作る「TRACK」は、001〜007 までで終わりです。我々は毎日新しい表現を試みています。ありとあらゆるところから刺激を受けています。ファインアート、映画、音楽、雑誌、自然、友人、宇宙・・・クリエイティブのアンテナを常にオンにしてどんなところからもおもしいろいアイディアを受信できるようにしています。
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