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シンガポール・デザイン展

HAPPENINGText: Yurie Hatano

約120の国々が参加している愛知万博。開催期後半とある8月16日、人気あるパビリオンの一つシンガポール館において、シンガポールデザインの展示が開始された。この展示は、シンガポール・カウンシルとシンガポール政府観光局による、シンガポールのクリエイティブシーンを世界に紹介しようという試みである他、今年11月9日から23日に渡って開催される「シンガポール・デザイン・フェスティバル」のプレビューでもある。初日には、シンガポールのデザイナー達が来日し、交流会が行われた。

万博長久手会場の主動線となる「グローバル・ループ」(空中回廊)を歩くと幾度も遭遇するのが、地域ごとに各外国館が集まる空間「グローバル・コモン」だ。その「グローバル・コモン」は会場全体で6つに分かれており、シンガポール館は、そのうち南太平洋地域の国々が集まった「グローバル・コモン6」に存在する。この夏休み期間、万博会場は子供からお年寄りまで人で溢れており、人気のパビリオンでは入場に2時間も3時間も待たなければならないのが普通の事。シンガポール館もその例外ではなく、名古屋の灼熱の太陽の下、入口付近に並ぶ人々は数列に及んでいた。

そんな中、公開直前に行われたデザイン交流会にて、デザインシンガポールカウンシル会長、エドモンド・チェンがスピーチを開始する。シンガポールのデザイン指導をする喜多俊之や伊東豊雄の活動を始めとし、これまでの日本とシンガポールのデザインの関わりについて例をあげながら、今後の新しいデザイン交流への熱意や、「シンガポール・デザイン・フェスティバル」への意気込みを感じさせるものとなった。

今回シンガポールデザイン展のコンセプトとなったのは「No Lines Drawn(線の無い世界)」。シンガポールの国柄を思わせるカラフルな特徴を含む、アニメーション、ファッション、家具、ジュエリー、おもちゃなど、様々な分野におけるシンガポールデザインの一部が紹介された。『デザインの面白さは、ものを作り上げていく材料や、それを作り上げるという可能性は以前から存在しているということにあります。完全な発明ではなく、確立されているかのように見えるものに可能性を見い出す事、新しい組み合わせを考えるトリックが、このテーマの本当の意味です。』テーマを説明するサインには、こう書かれている。

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