ヌメロ・フェスティバル 2004

HAPPENINGText: Simone Biffi

ヌメロ・フェスティバルは、リスボンで年に1度開催されるインディペンデントで独創的なイベント。国内外のアーティスト、ミュージシャン、プロデューサーが集い、新たな視点で物事を見つめ、異なる言語で表現されたり、技術的な進歩により生み出される新しい現実を発表する場となっている。毎年あるテーマが設定されるのだが、今回のテーマは「イメージの文明化 – クリシェの文明化」だった。

今年のプログラムのできは、非常に良かった。オープニングセレモニーの後に、ポルトガルのマルチメディア・アワードが、オーディオ・ミクロン・ウェーブズなどのミュージシャンが出席して行われた。昨年の音楽プログラムに引き続き、今回もポルトガルをはじめ、世界の新しい音楽を広めようという試みが感じられた。ポルトガルのミュージシャンでは、アクティブ・ファクター、1-UIKプロジェクト、ニコレット、アルティメット・アーキテクツらが登場。

他国のミュージシャンでは、ニューアルバム「TRES COSAS」を披露したファナ・モリーナ、こちらもニューアルバム「LIKES…」を演奏したダニ・シシリアーノ(マシュー・ハーバートの最愛のパートナー)、アルバム「KESTO」を演奏したフィンランドのアーティスト、パン・ソニック、ファンク・ストラング、トレバー・ジャクソン、という顔ぶれが、リスボンに集まった。

会場では、ポルトガルのデザイン集団、ムサ・レコクティブの展示も行われていた。ムサは、ポルトガルのデザインにおける若い世代を刺激し、サポートしている集団で、国内だけではなく世界的なレベルで活動をしている。さらに、ワープレコードからリリースされた、クリス・カニンガムやアレックス・ラタフォード、デイビッド・スレイドの1988年から2004年の作品を集めたDVD「ワープ・ビジョン」の上映もあった。

「ISOLATED FUNKSTORUNG. TRIPLE MEDIA」も展示されていた。これは、アートワーク、スケッチ、デザインを収録した本と、彼らのアルバム「ディスコネクテッド」のミュージックビデオとショートフィルムを収録したDVDという構成のもので、リリースの際にビジュアルリミックスのコンペティションを行い、800名を超えるデザイナーから寄せられた1,200の応募作品の中から厳選されたアートワークのコンピレーションになっている。

ヌメロ・フェスティバルはこうして今年も、音楽だけではなく、様々なパフォーマンス、フィルム、ショートフィルム、アニメーションというプログラムを展開し、今年も幕を閉じた。

NUMERO FESTIVAL 2004
会期:2004年11月3日〜13日
会場:Discoteca Lux
住所:28 Rua Pinheiro Chagas, 1050-178 Lisboa
https://www.numerofestival.com

Text: Simone Biffi
Translation: Naoko Fukushi

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