「スプラウト」プレミア上映

HAPPENING


2004年9月18日の土曜日、サンフランシスコのビクトリア・シアターで、トーマス・キャンプベルの最新作「SPROUT」のプレミアショーが行われた。会場周辺には、にぎやかなアートスクールの学生達の代わりに(少しはいたが)、クールな作品を観にきたのではなく、サーフィンが好きだからやって来たサーファー達でいっぱいだった。「SPROUT」は見事に50〜60年代に存在したサーフィン映画というジャンルの復活を果たした。

「SPROUT」のメインスポンサーとしてコンバース(最も歴史の長いブランドであり、またサーフカルチャーのサポーターの1つだろう)が、キャンプベルのビジョン実現のため、資金面でサポートしている。4年間という時間をかけ、16mmのボレックスで撮影された「SPROUT」は、旅行、サーフィン、またサーフィン界で影響力を持つ人物、例えばジョエル・チューダー、ダン・マロイ、デビッド・ラストヴィッチ、オジー・ライト、C.J.ネルソン、スキップ・フライ、アレックス・ノスト、ロブ・マチャド、ジミー・ガンボアなどのライフスタイルのドキュメンタリー。

この夜の幕を開けたのは、ミュージシャンのニール・ハルステッド(この映画のサウンドトラックに起用された)だ。彼は映画を観た後に残るだろう、静かでスピリチュアルなアコースティックバラードを何曲か演奏した。私はこの時初めて彼の音楽と声を聞いたのだが、その誠実な詩と素晴らしい声に感動してしまった。曲が終わると、キャンプベルが「SPROUT」の簡単な紹介をし、照明が落とされた。シートは満席でやむなく劇場の階段に座って映画を観る事になってしまったのだが、軽快に波を滑っていく美しい映像には目を見張った。太陽の光が水しぶきの中で輝き、サーファーが波に乗りながらカメラに向かって滑ってくる。そして私達はその中に吸い込まれてしまう。その映像は明るく、澄んでいて、美しい。

ただ僕が何か足りないと感じたのは、内容だ。キャンプベルによる映画上映前の簡単な紹介のなかで、この映画はロングボーダーとショートボーダーのあいだに存在する壁を取り除き、人として海を楽しめることを祝福し、あらゆる方法を使って水の近くに身を置く、ということを描いたものだと語った。実際観てみると、もちろんこの要素に触れてはいるが、それらがこの映画の本質だとは思わない。

私がこの映画から得た印象は、彼がした紹介とはあまり重ならない。この映画は、ちょっと面白い無表情なモノローグがおりこまれながら、フィルムクリップと素晴らしい音楽が美しく1つにまとめられたアルバムのようだ。そして、まさしくここが論議の的になるところだとも思う。サーファーは、これは“アートフィルムではない”と主張するだろうし、アーティストは、“サーフィンを題材にしたアートフィルム”だと言うだろう。アートフィルムとして考えると、(この主張は簡単に曲げるわけにはいかない。事実、トーマス・キャンプベルは今日最も認められているアーティストの1人だからだ。)波に向かってパドリングはしているが、立ち上がるほど強くはない。しかしサーフィン映画として考えると、良い作品と言えるし僕の期待を満たしてもくれた。もし自分にDVDライブラリーなるものがあれば、そのリストに加えたいとも思う。

なにはともあれ、この映画はお勧めです!

「SPROUT」は、コンバースムーンシャイン・カンスピラシーにサポートにより誕生した映画。この映画に関する詳しい情報は、オフィシャルウェブサイトまで。

Text and Photos: Mark Buswell from SisuHome
Translation: Naoko Fukushi

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