サム・ブロディー

PEOPLEText: Kentaro Yamada

今回紹介するのは、私の昔からの友達でもあり、ニュージーランドの若い世代のデザイナー代表としてニュージーランドデザイン大使としても活躍をしている、サム・ブロディー

彼は2002年にブリティッシュカウンシル主催のデザイン大使賞を獲得した。この賞はイギリスのデザイン産業と世界のデザイナーたちのネットワーク、リンクを発達させることを目的とした交流で、ニュージーランドからは、グラフィック、ファッション、プロダクトの3名の大使をイギリスに送っている。
2002年には、イギリスのトマトからトーマス・ループををニュージーランドへ迎え、その後サムはイギリスを訪れた。

ロンドン渡航を前に彼は、ニュージーランドのクリエイティブ・シーンを代表するような作品をイギリスのデザイン界の人たちにアピールできるようなものをと思い、「ニュージーランド・クリエイティブ・サンプラー」というCD−ROMを制作し、それを滞在中にデザイン会社などへ持込み、プレゼンテーションを行った。これには、グラフィック、プロダクト、インタラクティブ等のデザイン関係だけではなくニューメディア、アート全般のクリエイティブシーンを代表する作品のショーケースという意味合いも込められている。

彼は現在、彼の所属しているデザイン会社「ALT」を中心として、「ニュージーランド・クリエイティブ・サンプラー」の2号目を制作中で、書店での販売を予定している。またこれらは、世界中のエージェンシーなどへも配付し、ニュージーランドのクリエイティブ業界のプロモーションにも貢献するものとなるだろう。

では、ニュージーランドのクリエイティブシーンは、どういうところが他と違うのか?

彼はこう言う。『僕のいるデザインの世界では、ニュージーランドという国は規模の小さな国なのでスペシャリストが育たないというのも事実だね。まあそういうジェネラリスト的なニュージーランド人が他の国行って成功することも多いんだけれども。僕が思うに、ニュージーランドのデザインスタイルは、ドイツ、オランダ、スイスの様に確立されていない。どちらかというと、僕たちのデザインはイギリスに近いだろうね。(イギリスのデザインがどんなのって聞かれてもスタイルはそんなに決まってないんだけど)やっぱり国の規模が外国に比べてぜんぜん小さいのでジェネラルに仕事をやっていかざるを得ないんだ。』

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