NIKE 公式オンラインストア

CMYK フェスティバル 2004

HAPPENING

4月23日、24日の2日間、スペインのバルセロナにて初の開催となるインターナショナル・トレンドマガジン・フェスティバル「CMYK」が開かれ、世界中から集結するカルチャー誌を知り、交流するという目的のもとエキシビジョンやディスカッション、パーティーなどが行なわれた。たくさんの出会いがあり、コミュニケーションも盛んに行なわれ、非常に力強さを感じたフェスティバル。


フェスティバルのオフィシャルオープニング前夜、公式会場であるコンヴェント・ドゥ・サンツ・アグスティと、向い側に位置するイグアポップ・ギャラリーにて、招待客のみのプライベートパーティーが開かれた。公式会場の方は、元は修道院として使われていた建物をリノベートしたもので、古さと新しさが新鮮な形でミックスされ、その古さが建物に厳粛な雰囲気を与えていた。

このオープニングパーティーと同時に公開されたのが、片目を閉じた顔のカバーがアイコンの「i-Dマガジン」のエキシビジョン。来年で25周年を迎える「i-D」の創始者、テリー・ジョーンズのキュレーションによる、初期から現在までの号からのファッションフォト・セレクション。70枚以上の大判写真が会場中に展示された。オープニングパーティーは、フェスティバル前夜にもかかわらず深夜まで盛り上がった。

フェスティバルの内容は大きく5つに分かれ、それぞれ多数の参加雑誌を閲覧したり、交流を深めたりする場所などと機能別になっていた。まず、メインとなるセクションの1つに、「キオスク」という場所があり、そこは各参加雑誌がそれぞれデスクを持ち、雑誌を持ち寄りそれぞれの雑誌やビジターと交流をするところ。たくさんの雑誌が無料で提供していた。好きな雑誌を集める人、自分の作品を売り込むアーティストなどで熱気が溢れていた。

他には、リラックスできるようなスペースも設けられていた。そのうちの1つに、「アウト」という会場の中心にある中庭があった。フェスティバル中ずっとここでは、DJによる音楽があり、転がっている紙のソファーでくつろぎながら雑誌を読んだりビールを飲んだり、思い思いに楽しむことができた。2日間とも天候に恵まれ、歴史が感じられる壁に囲まれた中庭で、青空と太陽、音楽、好きな雑誌が一度に楽しむことができる贅沢な場所だった。

もう1つ、「ソファ」というコーナーがあり、そこは世界中から集められた雑誌、約70誌が閲覧できる雑誌の図書館のようなスペース。スポンジのような素材の椅子が用意されており、ここでもくつろぎながら雑誌を楽しむことができる。

他には、「RGB」というオンラインマガジンのための閲覧コーナーも用意されており、そこでは、12のオンラインマガジンを見ることができた。シフトもこのセクションで見ることができた。ただこのコーナーが目立たないところにあり、その存在に気付いていない人達も多くいたのが少し残念だった。

2日間、「フォーム」というセクションでは、様々な雑誌のディレクターやフリーランスなどが、あるテーマに沿ったディスカッションを6つ行なった。その中で興味深かったテーマの1つに「雑誌はトレンドを作り出すのか?それとも世の中を誌面に映しているにすぎないのか?」というものがあった。この問いは、他のディスカッションでも何度も論議された。このディスカッションから感じられたことは、インデペンデントな雑誌のほとんどは「トレンド・マガジン」を作ろうとしているのではなく、自分自身のやりたいと思うことを純粋にやっているということ。ただもちろん、「やりたいことをやる」には、財政的な問題などその道は決してたやすいものではないが、このディスカッションからは、それぞれ自身の雑誌へ向ける情熱の強さがとても感じられた。

彼らのディスカッションは、スピーカーが全員スペイン語を話すので、もちろん英語通訳もあるのだが、ディスカッションが白熱しすぎて訳されないこともあり、内容がすべて分からなかったのが少し残念だった。しかし、前に座っているスピーカーだけではなく、オーディエンスも積極的にディスカッションに参加し、インタラクティブでとても活気のあるディスカッションになっていたのがとても印象的だった。

フェスティバル最後のディスカッションは、i-Dマガジンのクリエイティブ・ディレクター、テリー・ジョーンズとコンシューマリズムという分野における権威である哲学者、ジルス・リポベトスキーによるもの。彼らはそれぞれの視点から、ファッションとコンシューマリズムについて語り、ジルスは、現代社会の物質的な消費主義を指摘し、テリーは、i-Dが生まれた20年ほど前と現在を比較し、「物を選ぶ」という自由さが広がった点を強調し、ファッションとは自分を表現する手段の1つであることを主張した。

フェスティバル最終日の夜は、クロージング・パーティーが催された。その会場となったのは、なんと動物園。会場に行くまでの道沿いには、動物の入った檻と人工的な森があり、エキゾチックな空間だった。その道を抜けると、この夜のために特別に用意されたというテントがあった。

中に入ってすぐのところに、<!–バルセロナのデザインスタジオ「バサバ」による–>オーディオ&ビジュアルインスタレーションがあった。それはダンスフロアとスクリーンでできていて、そこで踊ると、映像がその動きに反応して動くというもの。しかし、手足を大きく動かして踊らないと映像は反応してくれず、私は照れて踊ることができなかったが、たくさんの人がそれを楽しんでいた。メインフロアでは、ドイツのレーベル「MORR MUSIC」からのミュージシャンによるライブパフォーマンスが行われ、会場は朝方まで盛り上がった。

参加雑誌のほとんどが、インデペンデントということもあり、ディスカッションでも参加雑誌の人と直接話をしても共通して感じられたことは、「やりたいことをやる。やりたいからやる。」という精神が根本に強くあり、とても雑誌の制作に対して情熱的であるということ。それは雑誌を作る側も、コラボレーションをするアーティストやデザイナーにも同じだった。自らもこのような雑誌制作に関わるものとして、とても刺激的だったのはもちろん、訪れた人にとっても世界の雑誌を一度に見ることのできる数少ない機会の1つであったと思う。今回このフェスティバルは、初の開催だが、今後も様々な都市で開かれることを期待したい。

CMYK – International Trend Magazines Festival
日時:2004年4月23日、24日
会場:Convent de Sant Agusti(バルセロナ・スペイン)
info@cmyk-mags.com
www.cmyk-mags.com

Text and Photos: Naoko Fukushi

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
MoMA STORE