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アーモリー・ショー 2004

HAPPENINGText: Carlos J. Gomez, Aya Karpinska

ニューヨーク、3月のある寒い日、アーモリー・ショーの会場へとつながるエレベーターの中は、僕達が時間に追われながら食べたランチの、牛肉とチリの臭いがたちこめていた。チケットを買う列に並んでいると、ある美術館の関係者と思われる2人の女性がこっそりパスをくれ、僕達は無料で会場に入ることに成功。セキュリティチェックを通り抜け、人ごみをかき分けて進んで行った。

一番最初に目の前に現れたのは、トニー・マテリの作品。嘔吐した直後なのであろうその姿は愛らしく、鳥肌が立つくらいリアルな、チンパンジーの彫刻だ。さあ、これからどんな作品が続くのだろうか?


Tony Matelli, Ancient Echo, 2002. Silicone, fiberglass, hair, T-shirt, silkscreen © Tony Matelli

会場の雰囲気は全体的に明るく、ユーモアたっぷりの装飾が施されており、この会場のために作られたのであろうインスタレーションが沢山ある。この展覧会は、全部で186ものギャラリーを招いており、展示されている作品数は膨大なので、ちょっとペースをあげて見ていく。


Lars Arrhenius, A-Z (detail), 2001. 96 Laminated c-prints, 237 × 421 cm © Lars Arrhenius

ラース・アレニウスの作品は、この展覧会で一際目立っていた作品の一つだ。マンガのようなタッチで描かれたいくつかのキャラクターの1日が、壁に大きく広がる地図上でクローズアップされている。


Sarah Charlesworth, Toile (Red Version), 2004. Chromogenic print, 108 x 82.6 cm © Sarah Charlesworth

ゆっくり進んで行くと、窓と窓の間の壁に飾られた、19世紀のフランスの壁紙のような、しかしよく見てみると、郊外の車社会が描かれている絵を見つけ、しばらく見入ってしまった。これは、サラ・チャールズワース による作品。

天野喜孝の「UNTITLED」という作品は、単なるキュートな目の箱にしか見えなかった。村上隆風のアニメっぽいアートは今や至るところにある。

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