アーマリー・ショー 2004

HAPPENING

ニューヨーク、3月のある寒い日、アーマリー・ショーの会場へとつながるエレベーターの中は、僕達が時間に追われながら食べたランチの、牛肉とチリの臭いがたちこめていた。チケットを買う列に並んでいると、ある美術館の関係者と思われる2人の女性がこっそりパスをくれ、僕達は無料で会場に入ることに成功。セキュリティチェックを通り抜け、人ごみをかき分けて進んで行った。一番最初に目の前に現れたのは、トニー・マテリの作品。嘔吐した直後なのであろうその姿は愛らしく、鳥肌が立つくらいリアルな、チンパンジーの彫刻だ。さあ、これからどんな作品が続くのだろうか?


会場の雰囲気は全体的に明るく、ユーモアたっぷりの装飾が施されており、この会場のために作られたのであろうインスタレーションがたくさんある。この展覧会は、全部で186ものギャラリーを招いており、展示されている作品数は膨大なので、ちょっとペースをあげて見ていく。

ラース・アレニウスの作品は、この展覧会で一際目立っていた作品の1つだ。マンガのようなタッチで描かれたいくつかのキャラクターの1日が、壁に大きく広がる地図上でクローズアップされている。

ゆっくり進んで行くと、窓と窓の間の壁に飾られた、19世紀のフランスの壁紙のような、しかしよく見てみると、郊外の車社会が描かれている絵を見つけ、しばらく見入ってしまった。これは、サラ・チャールスワース による作品。

天野喜孝の「UNTITLED」という作品は、単なるキュートな目の箱にしか見えなかった。村上隆風のアニメっぽいアートは今や至るところにある。

次に歩み寄ったのは、ホセ・アントニオ・ヘルナンデス・ディエスの「HEGEL」という作品。これは、スニーカーのロゴを組み合わせて哲学者の名前を作るという、彼のシリーズ作品の1つ。「S-N-O-O-P D-O-G-G」なんてのはどうだろうか?

17世紀のオランダ絵画を思わせる構図と明暗で、ダウン症のモデルを使い、ネオ・グロテスク風に仕上げたこの印象的な絵画のような写真は、ラウフ・マメドフのもの。

しだいに出口に近づいてきた。ニュー・ミュージアムのブースに展示されていた、オラファー・エリアソンによるこの作品は、4次元の立方体(超立方体)のようだ。

ここで紹介した作品は、アーマリー・ショーのほんの一部だ。この会場内を歩いている時は、まるで郊外の巨大スーパーマーケットのシリアルやキャンディーのある通路で、迷子になってしまったような気分だった。

The Armory Show
会期:2004年3月11日〜14日
会場:Piers 90 & 92
住所:Twelfth Avenue at 50th & 52nd Streets, New York City
www.thearmoryshow.com

Text and Photos: Carlos J. Gomez de Llarena + Aya Karpinska
Translation: Naoko Fukushi

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