ヨシ・ソデオカ

PEOPLEText: Naoko Fukushi

C404のヨシ・ソデオカは、ニューヨークを拠点に活動し、マルチメディアのアート作品と、デジタルノイズを使った音楽を制作するアーティスト。様々なイベントに参加する他、マルチメディア・アート・ギャラリーや、エクスペリメンタル・ミュージック・フェスティバルなどのキュレーションを担当するなど、幅広い分野で活躍をしている彼にお話を伺った。

まずはじめに自己紹介をお願いします。

ヨシ・ソデオカです。日本で生まれ、横浜で絵を描いたり音楽をやったりしていました。1989年にニューヨークに移り、プラット・インスティチュートでアートとデザインを学びました。それ以来ずっとニューヨークに住んでいます。ヴィアコムMTV、ニコルソンニューヨーク(現在のアイコン・メディアラボ)で働き、今はもうなくなってしまった、ウェブマガジン「WORD」のアートディレクターを6年間担当しました。現在はC404という名義で、友人やコラボレータ−達と一緒に様々なプロジェクトを行っています。

C404の活動について教えてください。

そうですね、僕は異なった分野のものを沢山手掛けていると思います。その多くは実験的で研究開発的なものですが、ウェブアートやデザインのプロジェクトもやるし、モーショングラフィックスやイラストを描いたり、音楽を演奏したり、レコーディングをしたりと、本当に何でもやっています。クライアントのための仕事はもちろん、非営利のアートグループのプロジェクトもやりますよ。複雑なミッションというものはなく、僕はただ、僕が知っていることをやっているだけ。学校ではファインアートとデザインの両方を勉強しました。また、音楽は僕の人生の一部のようなもので、だから今でも楽しんでやっています。そういったわけで、プロジェクトでは、僕の知っている限りの知識を取り入れるようにしています。そういった繰り返しが、結果的に融合という形になっているのだと思います。

最近手掛けた、面白いプロジェクトは、ユーワークフォーゼムの最新DVD「エンター・ザ・ドラゴン」のモーショングラフィックスです。これは、デザイナーやアーティストを招き、タイプフェイスを制作してもらう、というものなのですが、僕もそのうちの一つを手掛けました。このDVDのラインアップはかなりいい。素晴らしいDVDになると思いますよ。また、デイ・ドリームのDVDコンピレーションにも参加しています。これはまた違った実験的映像作品を出品しています。

また、10月に日本で開催される、東京デザイナーズブロックにも参加しています。そこで、KIDIパーソンズジャパンがスポンサーのショーが行われるのですが、これは、ボーイング747型機の荷物棚に入れられるような椅子を展示する、というものです。このプロジェクトには、僕を含め15人のデザイナーが参加します。おそらく、参加者の誰もが、ちょっと風変わりな作品をエントリーすることでしょう。僕は、古くからのコラボレーターである、ジェイソン・モーと共に、コンセプチュアルな椅子をデザインしています。このショーは、このインタビュー記事が出る頃には、始まっています。エントリー作品は、僕のサイトでも見ることができます。

また現在は、ムービングイメ−ジ美術館に、来年のデジタルメディアの展覧会「ALT」でのアートインスタレーションが可能かどうか、という話を持ちかけているところです。

古くから活動されていますが、振り返ってみて、この10年をどう感じていますか?

すごく、超現実的なもののように感じています。たった10年のことを話しているわけですが、この業界はいい意味で大きく変わりました。そんなに長い期間じゃないですよね。僕は1995年以前まで、MTVの仕事だけではなく、その他の仕事は全て、ディレクターを使用して、CD-ROMとエンハンストCDで行っていました。それから間もなく、インターネットがネットスケープと共に始まりましたが、全てのブラウザ技術は、全てジョークのようなものでしたね。つまり、それらはウェブを閲覧するものではなく、システムをクラッシュさせるものだったからです。沢山の優れたデザインや、アーティストのコミュニティがインターネット上に登場してきました。ネットアートは、名声ある機関から認められましたが、僕が「WORD」を始めた1995年には、このような言葉は聞いたことがありませんでした。その当時は、ネットアートという概念自体が、まったくと言っていいほどありませんでしたからね。結局、それは自然の過程を辿っただけだと思います。インターネット上のメディアは、他とは異なっているのが良い点ですし、僕はその変化そのものを上手に利用したのだと思います。

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