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サバーテド・バウンダリー展

HAPPENING


あらゆるものというものにラベルが付いているような世界では、それ自体が機能的にデザインされているとも言える。現在、スカルプチャー・スクエア・ギャラリーで開催されている展覧会「サバーテド・バウンダリー展」では「スタンダードな」ものの見方を探究。ギャラリーのスペース全体が、従来の作品を見せるという機能をはるかに越えたものとなっている展覧会だ。

この展覧会では、タイ、ベトナム、シンガポールから集まった9名のアーティストが参加。各国固有の文化背景を全面的に出し、それらをシームレスな表現としてつなぎ合わせているのが特徴だ。また、物質的な境界線を超越しているだけではなく、言語の壁もこの展覧会には存在しないため、文化の違いなど関係なく、アートの世界へと誘うことができるのである。

「タイ・ルミナリーズ」という作品を制作したのは、タイ人アーティストのヴァザン・シティケット。巨大な木製パペットを通じて、タイの政治や戦争といった国際問題をアイロニックに批評した作品だ。このパペットからは、そういった問題は他人事ではないということに気付かされる。また、視覚的なコミュニケーションやイマジネーションが、新しい解釈をもたらしており、見る人それぞれが、作品を通じてオリジナルのストーリーを頭の中で巡らせることができる作品だ。

「クロス・バイク・エアプレン」は、ニグエン・ミン・タン(ベトナム)の作品。十字架の形をした飛行機が、昔のスカルプチャー・スクエアとの強い結びつきを感じさせる。スカルプチャー・スクエア・ギャラリーは、133年の歴史を持つ空間。シンガポールの街の中心に位置するこのギャラリーはかつて、メソジスト派の教会で、多くの信者が集まったことから、十字架は過去にカムバックできるような大事なシンボルだ。この作品では、十字架を使用することで、過去の歴史が現在と融合。自転車が飛行機を下から支えている様は、どのように過去から現在が生まれ、そして未来へと繋がって行くかを伺うことができる。ベトナムに昔からある絵画の手法が、現代のインスタレーションに混ざる所に、この作品のコンセプトはある。

シンガポール人アーティスト、リム・シン・エーは、シンガポールの実態を表現。シンガポール人は、日々の生活の中で小さな事柄をよく見落としがちである。感情や記憶といったものから、自分自身を切り離す傾向があるのだ。しかしそんな中でも、直感力やさまざまな状況、そして歌は、過去の記憶を呼び起こしてくれる存在だ。シン・エーは、スタイリッシュな方法で自らの気持ちを表現。家具のようなインスタレーションが、日々の生活で見受けられるような、人と物の関係を表している。空間的なクォリティが、人々を彼女の無限の世界へと導き、瞬間を捕らえ、日々の喧噪からの安堵を形づけている。

文化の境界線は常に交差しているもの。そして境界線は、想いや表現、理解、感触、気持ち、そして雰囲気を感じ、理解され、そして文化というものに真正面から直面した時に、徐々に薄れるものなのだ。もしかしたら、背景が違っても根本的な部分に関しては、僕らは同じなのかもしれない。そう考えると、境界線をつける意味がわからなくなってしまわないだろうか?


SUBVERTED BOUNDARIES

会期:2003年6月17日〜8月24日
会場:Sculpture Square
住所:155 Middle Road, Singapore 188977
arts@sculpturesq.com.sg
www.sculpturesq.com.sg

Text and Photos: Fann ZJ from Npsea Enterprise
Translation: Sachiko Kurashina

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