FLIP FLOP FLYIN’

PEOPLE

FLIP FLOP FLYIN’」ことイギリス人のクレイグ・ロビンソンは、ドイツのベルリンで活動するフリーランス・イラストレーター/デザイナー。この2月からシフトがプロデュースするギャラリー・カフェ「ソ-ソ-」で展覧会の開催に合わせ、今月号のシフトのカバーデザインを手掛けてくれた。


まずはじめに自己紹介をお願いします。

生まれはイギリスのリンカーンという街です。父のスティーブン・ロビンソンと母のキャロル・ロビンソンの間で、幸せな幼少時代を過ごしました。父は建築家だったのですが、父が仕事をしている姿を、宿題をやりながらよく見ていたのを覚えています。一緒にヒューマン・リーグやクィーンのレコードをよく聴いていました。大人になった今は、皿洗いに熱中しています。

「FLIP FLOP FLYIN’」設立に至った経緯を教えてください。

FLIP FLOP FLYIN’ (FFF)を始める前までは、 ロンドンにあるレコード配給会社で働いていました。FFFは、趣味として始めたのですが、結果的にはどんどんFFFに費やす時間が増えていき、それだけFFFのことを考える機会も増えていった、という感じです。

いままでにどのような仕事を手掛けてきましたか?

FFFの活動をメインに、その他にも、THE OFFSHOOTS、SHAKSE、TECHINICALLY PERFECT HAIRなども行っていますが、それ程注目されてはいないようです。最近はイラストの仕事がほとんどですが、デザインやアニメーションの仕事もいくつか行いました。THE FACE、AFTERHOURS、SHIFT (カナダの雑誌)、SHIFT! (ドイツの雑誌)、THE BRITISH DESIGN COUNCIL、J17、LEVI’S、MOTOR MUSIC、MTV GERMANY、RICHIE HAWTIN、SLEAZENATION、WOODCHUCKなどに作品を提供しています。

サイトには楽しめるコンテンツがたくさんありますが、お勧めコンテンツと内容を教えてください。

僕のサイトでは、まずミニポップスというコンテンツが一番人気のようです。これは、これがこのサイト自体を有名なものとしたコンテンツ、と言ってもいいでしょう。「ボーイ・ミーツ・ピクセル」も人気ですね。これは、ある男の子と女の子のラブストーリーなのですが、女の子役を演じているのはメグ・ライアンで、彼女はピクセル1個分の大きさしかありません。個人的に気に入っているのは、自分の亡き夫に話し掛ける未亡人を描写した「ジョ-ジ」や、片方の腕が異様に長い男の子の話「DAVID MIT EINEM LANGEN ARM (長い腕を持つデイビッド)」といった、影的な存在のものです。「ピート&ボブ」も好きですね。2羽のふくろうがダンスをする様子を楽しめます。

ピクセル作品を制作するプロセスについて教えてください。アイディアから完成まで、どのような作業で制作しているのですか?

ほとんどと言っていいぐらい、まず紙に描きはじめることからスタートします。コンピューターで作業を始めるのは、何か緊急を要している時で、そういった場合はそれがスタートポイントとなります。でもこういった場合は本当に稀で、ほとんどはまず、ペンシル・ドローイングをすることから作業を始めます。その作業を行うことで、ドローイングの数が増える時もあるし、フォトショップでさらっとスケッチをして、ペンシル・ドローイングに戻る時もありますが、自分の中で準備が完成するまで、これらのことを繰り返します。フォトショップでの作業が始まれば、それからが長いですね。いろいろ試してみたり、最小限の大きさで動くビジュアルとしてのオブジェクトを表現する上でのエラーを見つけたりと、結構忙しいです。

アイディアやインスピレーションはどこから得ますか?

誰かが言ってたことや、フレーズ、頭の中を一瞬過った物事から影響を受けます。調子がいい時は、それらをしっかりと受け止めて、何か大きなものの中に取り入れたりします。例えて言うなら僕は陶芸家で、花瓶を作ろうとしていて、粘土もある。もし才能があれば、その粘土から何かすてきなものを作ることができる、というわけです。

ピクセル作品をつくるにあたって気をつけている点、モットーは何ですか?

ある意味、僕の作品は現実的なインプレッションを形にしたものではないかと思います。僕の作品をよくよく見てみると、実際にはそれは、現物とは懸け離れているのだけれども、それを100%同じサイズにしてみると、実は類似している。そういった感じだと思います。

今回、SHIFTのカバーデザインをしていただいたのですが、何をイメージし、どのように制作したのですか?

アンティークのおもちゃについてのTV番組を見ていた時に、最初のひらめきみたいものがありました。歳を重ねるごとに、エンターテイメントが今よりもシンプルだった時代に対する僕の興味は増していっています。もちろんその時代は、ゲーム・キューブも、プレイステーションも、携帯電話も無い時です。そういったことを考えているうちに、子供の目線になって物事を見るということを表現したい。プラス、僕が子供の頃に興味を持っていたことをもう一度振り返ってみたい、という気持ちになりました。このデザインでは、パンチ&ジュディ・パペット・ショー、凧上げをする人、水夫、ET、キングコング、移動遊園地のゲーム、風向計、木こりなど、登場させたいものはたくさんあったのですが、そういったものの中から登場人物を抜粋しました。制作のプロセスは、先程説明したとおりで、ペンシル・ドローイングをたくさんし、どこに何を配置するか、試行錯誤を繰り返しました。また僕は、ゆっくりしたものが好きなので、その趣向も取り入れました。その他、ウェブのアニメーションの特色の中でも、特にループが主なディバイスとなっているGIFアニメーションが好きなので、それも活かしました。ルーピングには、機械的な要素だけではなく、木製のおもちゃのような要素もあると思います。

展覧会も「ソーソー」で開催しますが、どのような内容になりますか?

これは、自分の周りに犬がいない寂しさを、カバーするような展覧会です。僕がまだ十代の頃、家には犬が4、5匹いました。でも一人暮らしをするようになって以来、庭がなかったり、散歩に連れていく暇がない、といった理由で犬を飼えずにいます。また、イギリスの上流階級の人たちの飼い犬と一緒に描かれた肖像画の写真を目にしたこともあり、その絵画の厳格的なポーズの取り方もいいな、と思っていました。そういったアイディアを現実化したのです。

ドイツ、ベルリンについてお聞きしたいと思います。何か興味深い動きはありますか? また、ベルリンで活動することについてどう考えていますか?

経済的には失業者問題についての動きはあるようですが、街にはオリジナルのTシャツやグッズを売る小さなお店やギャラリーが溢れており、活気に満ちているようです。ロンドンやパリと比べると、住むにしてもアートをするにしてもあまりコストがかからないので、ベルリンはかなり「DIY」色が濃い街だと思います。

日本についてはどう思いますか?

日本には行ったことがないので、僕の知識は本、雑誌、テレビ、映画からのものですが、日本でもイギリスのように車は左を走るんですよね?それはすごくいいことだと思いますよ!

好きなビジュアル/グラフィックデザイナー/サイトを教えてください。

極めてカッティング・エッジの効いたものよりも、プロセスの中に人が関わった形跡がある作品が個人的に好きです。どんなプロセススタイルを使ったかは僕的には結構どうでもいいことで、フラッシュやフォトショップの技術がどうとかよりも、作者の気持ちや魂が入っているかどうかが気になります。
MouchettePurestarproductsHanni PannierLoretta LuxMilky ElephantHi! MonkeyThe Fat ChannelJimmy Owennsなどが最近のお気に入りです。

最後に今後の予定や、これからやっていきたいことなどを教えてください。

本物のリバプールFCのセンターフォワードとしてゴールをしたつもりになって遊ぶこと以外では、ウェブ上でもオフの状態でも、何か良いものを作っていたいです。例えばおもちゃとか、絵本、大人用の本、展覧会、Tシャツ、手袋とか…。こういった世界が僕の頭の中に広がっていて、それはかなり精密だし、日々この世界は拡大しつつあります。これからもずっと、この世界を表現し続けていられれば嬉しいですね。

FLIP FLOP FLYIN’
住所:Engeldamm 64a, Berlin 10179, Germany
craig@flipflopflyin.com
flipflopflyin.com

Text and Translation: Sachiko Kurashina

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