ラード・バルマン展

HAPPENING


ラード・バルマンの初の個展が、ビューロ・リューワーデンにて始まった。リューワーデンにあるザ・フライズ博物館で行われている「ノーデルリヒト」展の、写真部門としての開催のこの展覧会。ここ3ヶ月の間に彼が制作した作品の数々が紹介されている。バルマンはザ・ハギューにあるザ・クニンクリジュク・アカデミー・ボル・ビールデンデ・クンステンにて写真を専攻。97年の卒業と当時に、その花々しいキャリアがスタートされ、カープ、BLVD、ベンといったクライアントワークを次々とこなす。「コラージュ」と自らが呼ぶテクニックを始めたのが98年から。マッキントッシュとスキャナーを購入した時である。

事故や有名人、エキストラといったヘルプを使わずに、おもしろいイメージをつくりだすことに常に興味を持っていたバルマン。実在する現実性がある場所は、力強いイメージを作り出すには充分だという。そして、撮影された写真を通じて、その作者どのように彼の個人的な部分を表現しているかについて、バルマンは注目し続けているのだ。バルマンが最初に影響を受けたのは、エド・ヴァン・デル・エルスケン。エドのドキュメンタリーなアプローチで確信に迫る方法が気に入ったからだ。その他にもナン・ゴールディン、ラリー・サルタン、トーマス・ラフ、ハンス・ヴァン・デル・メア&ハンス・アルスマン等にも影響を受けている。彼の作品からも見受けられる通り、それら影響を受けたアーティストの作品も、自主的にドキュメンタリータッチで制作されているのは、彼自身も認めるところだ。

学生時代は当初、結果的には何も残らないものばかりを探し求めていたバルマン。彼自身それは、ものを作り出すためには、最初の段階の重要なクオリティーであると考えている。風変わりな想いやアイディアを単純に追加するようなものを見つけることは、実際に画像として表現でき、そしてこの考えは、彼の最近の作品でも垣間見ることができる。ドキュメンタリースタイルの仕事のやり方や、最新のデジタル技術と可能性への好奇心を通じて彼は、ドキュメンタリーと作られた写真の間にあるような、現実のコラージュを作り出す、というアイディアに辿り着いたのである。

広場、古い町の急な階段や小さな通り、サッカー場や市場などは、彼のどの「ノーマル」な画像にも見られる風景だ。そのままの状態を撮影する本当の意味のドキュメンタリーフォトグラファーとして彼は、コントラストの多い場所をロケーションとして探し求めている。例えば鋭い直線的なラインがある場所や、うねりがあるビル、小さくて落ち着きがある広場や開放感がある大きな空間がそれで、そのような場所が持つある一定の奥深さやダイナミックなエッジが彼の写真の中では利かされており、公共の場所としての「良い」写真、というイメージを最初に与えるのだ。しかし次には、今見えていたものよりもリアリティが少なくなった状態の、おもしろい世界がそこには広がる。

同じ場所から得ることができる、多種多様なイメージを重ねることで、リアリティを楽しむのがバルマンのやり方だ。その時やそこにいた人々の観念を楽しんでいる、と言ってもいいだろう。彼の作品をジッと見ていると、そこに何かしら「エラー」があることに気付くだろう。人と人の間の距離やその人たちが向かっている方向の狭間にある相互関係を見ることで、その「エラー」を全面に出しているのだ。そしてそのようなエラーは、時によっては、気付かないうちにストレートに表現されている。イメージのリアリティーは、人と、そして彼らが公共の場所で互いに影響し合う、という行動の狭間にあるノーマルな行為に挑戦しているのだ。その時時の要素は、時に同じ人が何度も写真に表れたりするように、何の関連性もないものに思われるのだ。

彼の作品では、微妙とも言えるリアリティが、どのように扱われているかを見ることができる。彼のイメージしたものは、私達の日々の生活の中に実存するものとして現れるのだ。そしてそこからは、私達がどれほど物事に振り回されているか、イメージがどれだけ相対的なものになれるか、実際には存在していなかったり、あるいは実際とは本質的にかけ離れているものに、私達がどれ程安易に信じこまされているかが感じられる。リアリティの認識の仕方を再考してほしい、というのが彼の望みであり、そしてすべての物事の根源は、そのリアリティそのものなのである。「現実の」世界を注意深く見つめてみると、それは第一印象として感じとっていたものとはちがうんだ、ということに気付くだろう。

既に次の作品の制作に取り掛かっているバルマン。その作品は更に、問題視される部分やロケーションに関しては一貫性のあるものになる予定だ。また最近では、大規模なイベントや、コンサート、催し物、トレードショーで見られるようなグループ間の相互関係を研究も行っている。このような具体的な状況の他にも、行く先々でその土地や人を撮り続けているのだ。バルマンが住む世界の中では、終わりのない新しい発見を期待できるのである。

Lard Buurman
www.royaalzuid.com/galerie/buurmancontent.html
www.noorderlicht.com/eng/fest02/satellite/buro/index.html
Lard@xs4all.nl

Text: Bastiaan Rijkers from Lemon Scented Tea
Translation: Sachiko Kurashina

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