アレサンドロ・メンディーニ

PEOPLE


Tom Kovac Architecture


アレッシーの「ザ・ティー・アンド・コーヒー・ピアッザ」は、ポストモダニズムとして有名な場所である。「ザ・ベニス・アーキテクチャー・ビエンナーレ」で予告されたシティ・タワーのプロジェクトでは、現代の建築家によって新しい風景が描かれた。このプロジェクトについて、アレサンドロ・メンディーニにお話を伺った。インタビューは、ステファーノ・カッシアーニ、写真はカルロ・ラバトーリ。

今回の、このタイポロジカル的なプロダクトリサーチに参加した建築家の選出基準は何だったのですか?

彼らが現代デザインについてディベートする方向は、基本的なものに向けられているということを、私自身は確信しています。彼らの作品は大胆で、建築を通じて世界に関する解釈を明確に伝えています。招待したアーティストから出されたアイディアをすべてオブジェとして形にできなかったのは残念です。私達がとても興味を持ったのは、一番幅広く、自由な可能性を秘めたセンスの調査でした。家庭にある、ある特定の種類のオブジェの意味を追求したのです。新しくて種々の個性がどの程度、今日、製品に求められているニーズとその製品に対する表現的な需要を満たしているかを知りたかった、という訳です。


Left: Kazuyo Sejima & Ryue Nishizawa/SANAA, Right: Morphosis

それではこれは、商業的な作業と捉えてもいいのでしょうか?あるいはもっと、アレッシーがイメージする新たな形作り、と考えた方がいいのでしょうか?

これは歴史的な慣例だと思います。「ザ・ティー・アンド・コーヒー・ピアッザ」は1980年代にスタートしたのですが、そこではアレッシーとアルド・ロッシ、そしてマイケル・グレイブスのコレボレーションが行われました。そこで制作された作品は、世界的にベストセラーになったものなのですよ・・。
シティ・タワーの制作においては、2つの目標を設定しました。その一方で「家庭向きの」オブジェにおける、現代的なアイディアはどこで扱われているのかを追求したい、とも思ってい、また、そのような「家庭向きの」オブジェには、将来性があるのか否か、にも興味を持ちました。そういったこともあり、実践的、あるいは商業的な要素をそれ程多く取り入れなくても、いろいろなデザイナーが持つビジョンを研究、比較する価値は充分にあるのではないか、と思いました。また、このリサーチによって多くの利点がアレッシーにもたらされると思います。アレッシーが持つデザインの世界が広がるだけではなく、スケール自体は小さくとも、小さいからこそ素晴らしく、チャレンジングなこの種のオブジェについて経験がない7人のアーティストにとっても、新たな「デザイン」の才能が開花する可能性があると思います。

マッシミリアーノ・フクサスもこのプロジェクトには参加していますね。

私達が興味のある、文化的、そして集合的なエリアにおいて彼は、国際的な注目を得る価値があるイタリア建築のある種の展開を具体化できるだけではなく、ある特定のカルチャーワールドの中でも、その存在は別なものとして確立しています。だからこそ、今までにはない違った方向からのリサーチを彼に行ってもらうのは、おもしろいのではないかと思ったのです。


Left: David Chipperfield Architects, Right: Massimiliano Fuksas, Doriana Mandrelli

「アーキチェクチャー・ビエンナーレ」では、初めてにして一番「スキャンダラス」な作品をしょうかいされましたね。作品名もかなり挑発的な「ザ・バナル・オブジェクト」。あのような前例と、現在発表している作品には、何か共通点みたいなものはありますか?

「ザ・バナル・オブジェクト」制作のために行った調査は、その時の私達にとってはかなり特別な存在でした。その調査を通じて、家庭用のデザインの限界、そして範囲を知ることができたからです。「ザ・ティー・アンド・コーヒー・ピアッザ」では、さまざまな問題にも対処できる解決策も多く発見できましたし、切り口を更に大きくする方法も取得しました。そして今回のシティ・タワーでも、建物の大部分を占める面から小さいオブジェまで、スケールの違いという問題に取り組んでいます。この種の簡易化に直面することは、何かしら大胆な行動のような気もします・・。「バナル」にあるアイディアは、デザイン全体にとっては達観した序文的なものではないか、とも思うのです。達観性を考慮する場合は、過熱したものにはならないオブジェに刺激された感情を受け止めなければいけません。それによって、「小さい」スケールの中に「大きい」デザインが埋め込まれた方法というおもしろい逆接が発生しますし、これこそが可能性という世界への冒険を通じて、私達が探究したかったことなのです。

その冒険はすぐには終わるものではないでよね・・。シティ・タワーの終結はいつ完成するのでしょうか?また、このアイディアもいつプロダクトとして見ることができるのでしょうか?

基本的なアイディア、まだ未開発の段階にあるオブジェの模型とイメージが、現在の状況として「ベニス・ビエンナーレ」では展示されています。今後どのような展開をみせるのかは予想がつきませんし、いろいろな面で変更も生じると思います。この未定の部分は、建築デザイナーのみなさんも了解済みなことです。もちろん、場合によってはアイディアの変更もあり得ることですが、できる限りデザイナーの意向に沿うよう、努力しています。最終的な結果、オブジェ、コミュニケーションについてのプレゼンテーションの締め切りは、2004年です。


Shigeru Ban

未来に目を向けながらも、前世紀の考えやデザインから生み出された方法に私達は今だに頼っている、という事実に影響を受けていますか?

もしかしたらこれも、若手であり、現在に強く関心をよせている建築家たちの言葉を通じて、私達がオブジェがある想像上の風景をもう一度作り直している理由かもしれません。このプロジェクトは未来にはならないと思います。「現在」がちょっとだけ後押ししているものが、このプロジェクトなのです。そしてそこには、広大な興味という地平線が広がっているのです。

Alessandro Mendini
mendini@energy.it
http://www.ateliermendini.it

Text: Stefano Casciani from Domusweb
Photos: Carlo Lavatori
Translation: Sachiko Kurashina

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