マクロメディア UCON 2001

HAPPENING

1995年以前、 つまりウェブがこれほどまでに普及するようになる以前、マクロメディアはディレクターを作った会社だった。現在マクロメディアはフラッシュを作る会社だ。これら2つのツールは全く違うものではあるが、似たような性質を持ち、デザインとテクノロジーのデジタル時代の異なる段階を定義している。ウェブの発展とフラッシュの成功と共に、マクロメディアは僕達が今日目にするもの、また明日目にするであろうものを定義している代表的な会社のひとつとなっている。彼等のコンセプト「WHAT THE WEB CAN BE – ウェブは、どうなり得るか」は、彼等にとってウェブがいかに必要不可欠なものになっているかということを表している。


マクロメディアUCON(ユーザーカンファレンス)は、4月10、11、12日の3日間、ニューヨークのヒルトンホテルで開催された。これまでUCONはサンフランシスコで開催されていたのだが、ニューヨークで開催されたのは今回が初めてとなった。

カンファレンスは、マクロメディアのチェアマン兼CEO、ロブ・バージェスの基調演説で幕を開けた。彼は、今回のカンファレンスは「ユーザー体験」に関するものであると同時にマクロメディアのツールの実際の「ユーザー達」に関するものでもあると宣言した。彼の簡単なスピーチの後に、マクロメディア・プロダクト社長であるケヴィン・リンチと、先日マクロメディアと合併したALLAIREの設立者であり、元チーフテクノロジーオフィサーであるジェレミー・アレールのスピーチが続いた。ALLAIREがマクロメディアと合併したのはほんの先月のことにもかかわらず、その2人はリラックスした雰囲気でオーディエンスにとって魅力的でダイナミックなプレゼンテーションを行った。


ロブ・バージェス、ケヴィン・リンチ、ジェレミー・アレールなど、基調演説のスピーカー達

プレゼンテーションでは、様々なマクロメディアのツールの重要な使い方などのケーススタディーをいくつか発表し、成功的な結果とそれほど成功的でない結果を面白可笑しく比較した。その後に、フリーハンド10やディレクター8.5などのマクロメディア新製品のデモが続いた。


フリーハンド10とディレクター8.5のデモ

3日間に渡るカンファレンスでは、フラッシュの中の物語性や DREAMWEAVER ULTRADEV でのサイトデヴェロップメント、ディレクターの3D、コンセプトを発展させるフリーハンドの使い方など、多様なトピックをカバー。マクロメディアの代表によって行われたセッションではツールのノウハウなどに焦点を当てていたものもあったが、一方で HELLO DESIGN や CHIPPING BLOCK などのエキスパートによるセッションが行われ、彼等のマクロメディアツールの使い方を垣間見る機会を与えてくれた。


エキシビジョンブース

UCONのメインテーマが「ユーザー体験」という非常に実体のないものであったにもかかわらず、カンファレンスではより実体的なトリックやギミックという方向へ引き寄せられていた。セッションの大半が様々なプログラム(DREAMWEAVER、フラッシュ、ディレクターなど)のハウツーであり、プレゼンターの多くが彼等の洞察力のある知識やそれらプログラムのクリエイティブな使い方をシェアしていた。

「ユーザー体験」は、十分に討論することのできる話題ではない。また、デザイナーやデヴェロッパー達が絶えまなく質問していた多くの質問に対する究極の回答は存在しないのだ。今回のカンファレンスでは、「どうすればユーザー体験を良くできるか」という質問に対する答えを出そうとしていたが、残念ながら答えは出なかったようだ。問題は、答えを出す前に「ユーザー体験」とは何かという定義が明白にされていないということにあった。

はっきりと名言されていたわけではないが、3Dとナローバンドというカンファレンスの基礎となる2つの傾向が存在していたようだ。

ウェブに3D体験をもたらそうとする試みが、これまで幾度となく行われてきている。ゲーム産業を除いて、その試みはあまり成功を収めていない。そんな中、ディレクター8.5が、ユーザーのオンライン/オフラインアプリケーションに3Dインターフェイスを組み込むより速く簡単な方法を実現した。エキシビジョンエリアでは、3Dアプリケーションとプラグインを売り込む人達でごった返していた。
3Dの「トリックとギミック」の罠に陥ることなく、いかにその能力を最大限に活用するかは、僕達デザイナーやデヴェロッパー次第だ。

ブロードバンドという言葉が長い間語られているが、決して実現しないもののような印象がある。そして、ナローバンドもまだ無くなっていないのだ。実際、携帯電話やPDAなどのワイヤレス装置の急速な発展と共に、マクロメディアは様々なワイヤレスカンパニーと仕事をし、彼等のスタンダードを適合し、それら装置の現在のテクノロジーを最大限に活用する方法を紹介している。

一言で言うと、ナローバンドは今も確実に存在し、ブロードバンドは決して実現しない神話のようなものなのかもしれない。

マクロメディア UCON 2001
日時:2001年4月10日、11日
会場:Hilton Hotel
http://ucon.macromedia.com

Text and Photos: Rei Inamoto
Translation: Mayumi Kaneko

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