IDN フレッシュ・カンファレンス 2001

HAPPENINGText: Calvin Ho

2月の香港でのハイライトは、間違いなく香港を拠点とするインターナショナルデザイン雑誌「IdN」主催によるフレッシュ・カンファレンスだ。カンファレンスは、ここ香港コンベンション&展覧会センターで開催された待望のクリエイティブイベントで、アジア一帯から同じ考えを持ったウェブ熱狂者達や好奇心旺盛でクリエイティブな参加者達をひとつ屋根の下に集結させ、2日間に及ぶビジュアルの饗宴を繰り広げた。

ウェブサイトの背後に隠れている人達に実際に会うことができ、とても面白かった。セミナー全体的としては、デザイナー達のインスピレーションからビジョンに至るまで様々な話題に焦点をあてていた。これを達成することは、簡単なことではない。僕と同じくセミナーに参加した知人のほとんどは、この2日間のセミナーで素晴らしいインスピレーションを獲得したようだ。全体的なメッセージは、技術的問題の解決法であれクリエイティブな冒険であれ、デザインを通して個人的な表現をする努力をせよということ。人生経験を通して自分自身のスタイルを展開し、サイトを活用して人々をひとつにする努力こそ、ウェブがあるべき姿なのだ。今回のカンファレンスは、今日のウェブシーンがどのように発展しているのかについての現実的なフォーカスを掴み取り、インスピレーションを与えてくれる素晴らしい機会となった。

カンファレンスとは別に、IdNとマクロメディアがウェブコンペティション「What the World Can Be」を開催し、受賞者には iMac(Eric So Artで受賞したDHKYに拍手)やスクーター(何故?)などの賞品や、マクロメディアのソフトウェアの数々が授与された。コンペティションとセミナーに関する僕の個人的な経験からしても、賞というものには全く意味がない。コンペティションは、それがウェブであれプリントであれ、自分の掃除機に施す自分なりのデザインであれ、デザイナーが懺悔すべき小道から顔をそむけることのみを意味する。自分自身についてではなく、ましてやオスカーグラフィック賞をもらって喜ぶことでもない。全ては、いかに他人に影響を与えるかということだ。仕事場の同僚のおかげで僕は、世界に向かっていかに自分のアイディアを表現するか、デザインやクリエイションを通して異なるカルチャーと人達をひとつにする方法を学んだ。そしてそれこそがウェブのあるべき姿なのだ。セミナーのスピーカーだけでなく、そこに参加した人達、そして僕のサイトを通して僕をサポートし続けてきてくれた皆に感謝したい。できれば今後一緒に何かをやって、その結果クールなものを生むことができたらと思う。

今回のカンファレンスで、香港を訪れた数多くの人達や地元のデザイナーに出会うことができた。僕にアプローチしてくれた人達のことを僕自身全く知らなかったし、逆に、僕が会いたいと思った人達は、僕のことを少しも知らなかった。こういった相互関係も、ウェブへの刺激となるのだ。The OFPの3人、デザインプレックスの立古氏、メディアヘッズのケンジ&ノブユキ、パワーグラフィックスのメンバー(もっと沢山話せばよかった)、ネンドの(マリオ)ケンタロウ、ジョシュア・デイビス、フューチャー・ファーマーズのエイミー(彼女は最高)などなど。彼等は皆、インスピレーションを与えてくれる素晴らしいビジョンで、コンパスのように僕を導いてくれた。

最後に、今回のIDNカンファレンスは、第1回目ということを考慮しても、非常にまとまりのあるものとなった。それを実現した彼等に感謝し、2002年に開催が約束されている第2回目を待ち望むことにしよう。2枚のDVDがカンファレンスから間もなく発売予定で、さらにョシュア・デイビスのハードドライブをまるごと収録したCD-ROM付きのIDN誌上でも入手可能だ。

IdN Fresh Conference 2001
会期:2001年2月
会場:Hong Kong Convention and Exhibition Centre
住所:1 Expo Dr, Wan Chai, Hong Kong
https://www.freshconference.com

Text: Calvin Ho
Translation: Mayumi Kaneko
Photos: Calvin Ho

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