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DJオーキー

PEOPLEText: Calvin Ho

香港で、情熱を持ってオリジナリティーのあることをやっている人物に出会うのは、そうあることではない。特に音楽に関しては。だが、僕の場合は、DJ OAKEY(オーキー)という友人がいる。SHIFTを読んでいる皆に彼の甘いソウルを知ってもらいたいと思う。オーキーと僕は一緒にパーティーをやり、クラブのDJブースの中で熱いセッションを繰り広げ、新しい曲でお互いを出し抜くことに夢中になっている。実際は、2人とも持ってるレコードは同じだということに気付くだけなのだが。

今回彼を紹介するのは、彼のニューアルバムが日本のみで独占リリースされるため。オーキーの言葉に耳を傾けてみてほしい。

まず、バックグラウンドを教えてください。

僕がまだ若かった頃に、ママにピアノを習いなさいと言われたのが、音楽を始めたきっかけ。それで音楽がものすごく好きになって、アメリカのサクラメントの学校に行って、それからスターTVで8年間働きました。最初はテクニカルオペレーターとして仕事をして、1994年にオーディオに移って、そこから楽しみが始まりました。オーディオエンジニアとして6年間仕事をするうちに、テレビ業界の人達に沢山出会って、日本の友人、越智敏郎もその一人。音楽に対する情熱が同じで、一緒にDJを始めたのですが、それが発展して「BROWN SUGAR」というクラブパーティーをやることになりました。

なぜ「BROWN SUGAR」なのですか?

ソウル、R&B、ヒップホップミュージックに対する興味と愛情があったので、インパクトがあってソウルフルなブラックミュージックと簡単に結びつく名前を思いつくのは自然なことでした。最初にパーティーをやり始めた頃は、全然予測がつかなくて損もしたりしたけど、金銭的にはそんなに辛いものじゃなかった。「BROWN SUGAR」は、このタイプの音楽をプロモートする香港で唯一のパーティーだったから、やり続けることにして、諦めないで頑張ってたら、僕達のような人が他にもいるんだっていうことが分かって、いつか成功すると信じています。敏郎ともう一人のDJ、シャウン・キャノンが仕事のために日本に帰ってしまったから、香港でのイベントは6ヶ月しか実現できなかったけど、敏郎が日本で「BROWN SUGAR」ナイトをやってくれています。僕は、個人的な理由で香港に残ることにしたけど、レコードを買いこんでプレイするのに月に2回は日本に行っています。

作品について教えてください。

僕の最初のメジャーな作品は、「ファーザーズ・トイ」というインディペンデント映画のサウンドトラック。映画のストーリーは、パーキンソン病の父親の話で、毎日外に出掛けて行っては、誰も頼んでいないのに道のゴミ拾いをしたりするんですが、彼の息子が彼のことをものすごく嫌っていて、嫌っているのと同じくらい、父親である彼の世話をするというもの。サウンドトラックでは、自由にやることができて、R&Bをベースにヒップホップのビートとアイルランド人シンガーのOLAをフィーチャーしたスタイル。何曲かは、ドラムンベースっぽいのもありますが。生のキーボードを使って、サンプリングもしています。

今、「グラスガール」という映画のサウンドトラックも手がけていて、映画の監督に、広東のクラシックソングをリアレンジするように頼まれた他は、全く自由にやっています。このプロジェクトには、2ヶ月くらいかかっていて、今年の香港DMCのナンバーワンDJ、FRANKIE(フランキー)のヒップホップトラックも何曲か収録する予定。いろんなスタイルの音楽を使ってみたいと思っています。

自分のレコードレーベルについては?

「BROWN SUGAR」のデビューシングルを間もなくリリースする予定です。タイトルは「SOS」で、ラテンのパーカッションが流れるハウストラックになる予定。ファンキーとジャズ両方の要素があって、生楽器をあまり使わないでベースラインとボーカルに焦点をあてています。B面のミックスは、できれば日本とユーラシアの女の子をフィーチャーしたいと考えています。最初に日本でのみリリースされる予定ですが、その後に世界でもリリースしたいと思っています。タイトルは、香港での僕達の状況を反映していて、トランスとテクノのみの状態から抜け出したい僕達の嘆きが良く表れています。この作品は、僕達のパーティーのリマインダーとして、クラブにラブとソウルを注入するものになるはずです。

何かメッセージは?

LOVE… 人生を生きるためにあるのはそれだけです!

Text: Calvin Ho
Translation: Mayumi Kaneko

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