TYPO ’99

HAPPENING

1年に1回、ドイツではデザイナーたちが参加するコンファレンスが開催される。今年僕は、ベルリンで開催されたFONTSHOP協賛の「TYPO99」に参加することにした。今年はイメージと言語がテーマで、タイポグラフィーは僕が思っていたほど重要視されていなかった。
コンファレンスは、 TYPOホール、 TYPOステージ、TYPOフォリオの3つのエリアから成り、TYPOモールというのはI.D.がないと入ることが出来ない場所。I.D.を貰うか、登録するには金がかかる。それも結構な金額だ。学生以外でコンファレンスが始まる1ヶ月以内に登録しようとするなら、約900マルク(約7万円)もかかる。決して安いものではないが、もしショーが良いものなら高くはない。その金額には参加者のプレゼンを見るための入場料だけでなく、金曜日と土曜日のランチと、外側に「It’s my bag」とプリントされたかっこいいビニールバッグも含まれている。なかなかステキなバッグだと言えるだろう。コンファレンスは木曜日から土曜日まで開催され、その後内容や参加者についての簡単な討論が行われる。


木曜日:今日はチェックインの日。 I.D.をゲットしてTYPOホールの良い席を目指して中に入る。TYPO99初日のオープニングはきっとエキサイティングなものだろうと期待していた。一番手はベイゾン・ブロック教授。「面白い」ことが起こるということを前もって分かっておくべきだった。彼は「アーティストや他のデザイナーを盗む盗人〜デジタル社会の生ゴミ男」というプレゼンテーションの為にスライドプロジェクターを持ち込んだ。今世紀のさまざまな本やさまざまなアートからコピーしたスライドを抱えてステージに登場し、アートやユーゴスラビア状勢、そして自分自身の論文について長々と語り始めた。オープニングにしてはやけに長かったとしか言いようがない。その次にはクランブルック・アートアカデミーのローリー・ハンコック・マケラが登場する予定で、僕が思うに彼女は自身の本「WHEREISHERE」についてのプレゼンをする予定だったのだが、結局発表することが出来なかった。この日の他のプレゼンについては触れずに金曜日について書こうと思う。僕が思うに、木曜日には特に注目すべきものは何もなかった。

金曜日: 金曜日のプレゼンで注目すべきは、エリック・アディガード、カルロス・セグラ、HOUSE INDUSTRIESの3者。
エリック・アディガードは、 WIREDマガジンでの仕事で実に良く知られている。 このコンファレンスのために彼は「Menage a Trois」というデザイナーとメディアとテクノロジーに関する、言い換えると、カエルとお姫様と湖に関するプレゼンを行った。テクノロジーは友達というのがキーメッセージ。エリックに続き、HOUSE INDUSTRIES がコンファレンスを準備した。6人のメンバーのうち3人が赤い70年代スタイルのブレザーと黒のネクタイ、黒のスラックスに似合うプレゼンを行った。ファンキーな70年代スタイルのフォントやグラフィック、衣服のスライドを発表した。カスタムカーというのは彼等が作ったゲームで、実に良く出来ていた。注目すべき最後のプレゼンはキューバ生まれのシカゴを拠点としているデザイナー、カルロス・セグラ。彼は自分でデザイン会社を経営していて、T-26というタイプファウンドリーでも良く知られている。T-26でのデジタル作品と同様に素晴らしい作品の3つのトレイを発表した。作品の量はものすごく、どの作品も素晴らしかった。

エリック・アディガードのどのような考えが込められているのかという解説と共に完成されたプリント作品のプレゼンの後、HOUSE INDUSTRIES をもう一度見た。どちらもTYPOステージのフリーセクションで続行されていた。 その後ティボー・カーマンが体調不良の為欠席することになったという知らせがあり、残りの日程を、先月紹介したベルリンの Eastern Block をチェックして過ごすことにした。

最終的には誰もが参加する価値があったのだろうか、と自問しなければならなかったことだろう。その上基本的には、多くの熱心な人達が何らかのインスピレーションを期待するようなショーはTYPO99にはなかった。だが、金曜日の参加者は僕が必要としていたインスピレーションを僕に与えてくれた。

会期:1999年4月15日〜4月17日
会場:Haus der Kulturen der Welt
住所:John-Foster-Dulles-Allee 10, 10557 Berlin
http://www.fontshop.de/typo99/

Text and Photo: Jeremy Tai from FORK Unstable Media
Translation: Mayumi Kaneko

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